【冒頭から暴投#036】雨と夜とアーケード・・・と傘
我ながらめんどくさい思考回路だなーと。
いや、極度の面倒くさがり屋なだけかもね。
あー、写真にモアレが^ ^
季節感がズレてしまいますが、傘のお話を。
ちょっと想像してみましょう。
あなたが、雨の日の「夜」に傘を差して歩いている時、ふと目の前にアーケード街が現れます。そのアーケード街は、目的地までの近道でもあり、雨も避けられる絶好の通り道。あなたは、もちろんアーケードの中へ入ります。
はい、ここで・・・、もう傘を差さなくても雨に濡れる事はありません。あなたは、この時傘をどうしますか?
ちょっと、心理テストっぽい口調になってしまいましたが、それ系の話ではありません。
同じようなシチュエーションに出会った時、僕はいつもとても悩むのです。
傘は本来雨を避ける目的で差す訳ですから、アーケードに入ってしまえば、差す必要はありません。なので、たぶんみなさんも、一度傘を閉じてるのでは?と思います。
統計をとった訳ではないので、あくまでイメージですが、実際、アーケードの中で傘を差して歩いている人はほとんどいないように見受けられます。
極々当たり前の話過ぎて、何を悩むのかと思われるかもしれません。でも本当に毎回悩むんです。
アーケードに入って雨に濡れない状態になったといっても、小樽の場合は、数分後にはアーケードの出口に辿りつきます。そして、一歩外に出ればまた土砂降り・・・。
この数分間のために傘を閉じるという作業は本当に必要なのか?・・・と悩んでしまうのです。
傘を閉じるという事は、片手で頭上に差していた傘をおろし、もう一方の手を使って傘を閉じる。そのままぶら下げて歩く人もいれば、クルクル巻いて完全に仕舞ってしまう人もいます。
せっかく仕舞った傘ですが、数分後には、ほどいてまた頭上に差さなければなりません。
僕はこの数分間の傘の処遇ついてに悩むのです。
どうせ、また使うんだから、クルクルしなくても良いんじゃ?どうせまた使うんだから、いっその事開いたままで良いんじゃ?開いたままなんだから、頭上に差した状態のまま降ろす必要も無いのでは?などと、ぐるぐる考えてしまうんです。
「どんだけ面倒くさがり屋なんだ?」と自分に問いながらも「あくまで効率の問題だ」と反論する自分。しかも使ってる傘が、折りたたみの場合は、一旦閉じた時のあの、なんとも言えない収まりの悪い不格好さに辟易してしまう。で、スッキリしたいがために、しっかり仕舞おうと、アレコレやっているうちにアーケードの出口に着いてしまう・・・。なら、いっその事、開いたままで・・・。
でも、同じ雨に濡れない数分間でも、お店に入ったり乗り物に乗る場合は、何の迷いも無く傘を閉じます。クルクルもします。折り畳みます。そうしないと、周囲の人たちに迷惑をかけてしまうからね。
だからたぶんアーケードの中の人口密度が高ければ、何の迷いも無く傘を閉じるんでしょう・・・。
そういえば、札幌の狸小路では、この件で悩んだ記憶が無いかもしれない。同じアーケード街なのにね。雨の日、しかも、通行人が少ない「夜」に狸小路を歩く機会自体が極端に少ないからかもしれないが、そもそも、昼夜を問わずアーケード内の人口密度が小樽とは比べ物にならないくらい多いしね。
小樽にはアーケード街が二つありますが、こんな風に悩むのが、決して夜だけじゃなかったりもします。
ある意味雨の日限定のアーケード内人口密度センサーですね、この感覚。
いつか、アーケード街が人の波で溢れかえり、こんなくだらない事を考える余地すらなくなる日がくればいいのに・・・と、徹夜明けの朝にぼんやり考えたりね。
[2013年TARUPON FREE3月号 vol.103掲載]