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【冒頭から暴投#019】近過ぎて見えない…

当時のコラムのレイアウトが、縦書きの2段組だったため、以下のような書き出しで始まってます^ ^。
ちなみにデータを引っ張り出すのが面倒で、古いコラムは、バックナンバーをスマホで撮ってテキスト化してるのですが、かなり誤読?があるので、修正が大変です。


 今回は、上段と下段で同一テーマの二本立てのコラム?のような形式となっています。
 話の内容は、それぞれまったく違いますが、色々な意味で痛い・・・お話です。

 天候にもよるが、夏場の取材時の“足”は、もっぱら自転車である。
 その日は夜営業している店を数軒まわる予定で自転車で事務所を出た。仕事は比較的スムーズに進み、最後のお店を後にして、残務整理のために事務所へ向う途中の出来事。
 夜の人通りもそれなりにある小樽の“花園の飲屋街”。僕は、自転車に乗りつつも、極力スピードは出さず歩く程度の速さで走っていた。
 細い小路から、比較的大きな通りに出る際に、左右を確認した上で、自転車を左に傾け、左折するつもりだったのが、何故か急に自転車が逆に傾き、転倒してしまった。
 一瞬の出来事だったので、何が起こったのか理解できなかったが、転倒した場所のアスファルトを見てみると、原因はすぐに特定できた。アスファルトに、ちょうど自転車のタイヤー本分程の深めの“ミゾ”があったのだ。たぶん、自転車を左に傾けたタイミングでそのミゾに前輪がハマったのだろう。いわゆる“ハイサイド”みたいな転び方。強打した左足の踵の痛みも去る事ながら、「大丈夫?」と声をかけるなどして、心配してくださった周囲に居た方々に申し訳ない気持ちで心が痛んだ。いっそのこと、大笑いしてもらった方が良かったのに…。あー、恥ずかしい…。
 近過ぎて見えなかった・・・ミゾ(笑)


 薄曇りで過ごしやすい九月中旬の午後の事。とあるお店で、オーナーさんと次号の広告の内容について打ち合わせを行っていた。
 今回お邪魔したお店は、初めての掲載という事もあり、少し緊張していた。まあ、これはいつもの事だから仕方ない。でも、その緊張をよそに、打ち合わせ自体はスームーズに進行し、次回の訪問日も決め、お店を後にする事となった。
 「ありがとうございました。よろしくお願いいたします!」と、席を立ってあいさつをし、お客様に背を向けた。ちょっと緊張がほぐれたのだろう、少しぼんやり気味に、開け放しになっていた引き戸の向こうに見える建物や、通る車なんかを眺めながら出口に向う僕。
 その時だった、僕は何か妙に弾力のあるモノに衝突した。目の前には何も無かったはずなのに・・・。
 何が起こったのか一瞬戸惑ったが一歩後退りして全て理解。
 目の焦点を手前にもってくると・・・さっきまでは見えていなかった「網戸」が見えた。
 入り口の戸自体は開いていたが、二重構造の内側に引き戸式の網戸があったのだ。そして、それが閉じられているにもかかわらず、僕は網戸越しの外の景色に気を取られ、躊躇せずに突っ込んでしまったのだ。
 網戸は。もちろん破損・・・・
 いや、もう、びっくりってゆうか、ゴメンナサイ、本当に申し訳ありませんでした!
 もう、申し訳無いやら、恥ずかしいやら、情けないやらで、今も胸が傷みます。
 近過ぎて(僕だけに)見えない・・・網戸(笑)

※後日修理代は精算しました^ ^懐も痛いw


[2011年TARUPON FREE10月号 vol.86掲載]

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