猫だって泳ぎたい
猫背な犬
白熊の地肌は黒いらしい
嬉しくて泣くお前
母の死を悼む母
足の大きい小心者
その犬は、猫か?
海は青いのか 透明か 金色か
どうだろう。
猫背な犬
黒板に吸い込まれてく 緑のチョーク
何を考えているか分からない、ことだけが分かる顔をする君
タートルネックがトレードマークの社長が、襟を正すべきだと詰められている
ムスコを一人娘のごとく大事にする息子
友だちに、友だちじゃない子について話すあの子
その犬は、果たして猫なのだろうか?
海はみずから輝いているのか それとも君と来たからか
そうか。そうだろうか。
猫背な犬
猫のように気まぐれだから
君を猫だと喩えたら
いいや大型犬だと君が笑った
大型犬らしい君はその反面 いつも猫背がちで
私はその君の背筋を遠くから眺めるのが
好きだった
本屋で気づいたんだった
本棚を眺める時も 手に取って試しに頁をめくる時も、
暖房の効いた本屋の中で 寒そうにすら見える君の猫背が
好きだったんだった
君は犬でも猫でもなく ひとりの人間 で
海は青でも 透明でも 金色でもなく
きらきら それそのもの だった
そうだ。
そうだった、んだな。
《おわり》
犬なのに猫(背)
っていうことば遊びみたいなのを歩きながら思いついて
新宿始発武蔵浦和行きの30分で勢いと熱量だけで書き殴ったから、詩にしきれず統一感は行方不明
前半2段はpagesで縦書き明朝体にしてたから、それとなく詩っぽくなって自己満足でにやにやしてた
最後まで読んでくれてありがとう、新宿駅で東京豚饅に大行列ができてるのをよく見かけるのだけど、551とどっちがおいしいと思う?