見出し画像

ドラマ「Pistol」公開記念! 原作本『ロンリー・ボーイ ア・セックス・ピストル・ストーリー』ダイジェスト

2022年5月31日より放送スタート(全6話/英Disney+、米Huluほか)するセックス・ピストルズの伝記ドラマ「Pistol」(ダニー・ボイル監督)の公開にあわせ、原作本『ロンリー・ボーイ ア・セックス・ピストル・ストーリー』(スティーヴ・ジョーンズ:著、川田倫代:翻訳)のあらすじをダイジェスト公開します。
原作のあのシーンはドラマではどう描かれるのか。本書と併せて見るとより楽しめると思います。(日本での放送は現状未定。公開を切望します!)


2022年、テレビドラマ「Pistol」原作本
『ロンリー・ボーイ ア・セックス・ピストル・ストーリー』
スティーヴ・ジョーンズ: 著 
 川田倫代:翻訳

■セックス・ピストルズとスティーヴ・ジョーンズにまつわる19のこと

1. 性的虐待

スティーブ・ジョーンズは十歳の時に、義父に性的虐待を受けている。彼の母が不在のとき、義父はスティーブに自分の性器を弄らせた。

2.  覗き癖

十代のころ、毎日のように他人のセックスを覗き見していた。鉄道線路脇のヤリ場にいき、カップ ルがヤッているのを見て、欲求不満になり、ヤツラがやっている車に、大きな石を投げた。

3. 盗み癖

その後、ジョーンズは「盗み」を始めた。毎日目が覚めると「今日は何を盗もうか?」と考えていた。
1973年のデヴィッド・ボウイの歴史的最終公演『ジギー・スターダスト』でもボウイの機材を盗んでいる。 D.A.ペネベイカーが撮影したドキュメンタリー映画のサウンドが悪いのは、そのためだと彼は考えている。

4. ドラァグクイーン

若い頃、ジョーンズは後のピストルズのドラマー、ポール・クックと友だちになった。やがて、彼らはドラァグクイーンと遊ぶようになる。タフなワーキングクラス出身にもかかわらず、女装する男性たちに寛容だった。「彼らはアンダーグラウンドの人間のようなもので、オレは最も親近感を感じた」。

5. セックス依存

ADHDのスティーブは仕事を続けられるほど集中できない。仕事を得ても、頭の中はセックスのことでいっぱいだった。配管工の助手をしていたときには、巨大な掃除機をチンポコに当てて自慰行為をしていた。

6. マルコム・マクラーレン

ピストルズのマネージャー、マルコム・マクラーレンをロットンよりもはるかに好意的に見ている。ロットンはマルコムを「ミドルクラスのヒッピーの愚か者」と見ていたが、ジョーンズは「ただ人に溶け込みたいだけのカメレオン」と見ていた。ジョーンズは、ピストルズのキャリアは、偶然の産物だと考えて いる。マルコムが主張していたように、全てを計画していたわけではない。マルコムの素晴らしいところは、破滅の可能性のある出来事をバンドの大きな利益に繋げることだった。

映画『ザ・グレート・ロックンロール・スウィンドル』の撮影で女装するマルコム(左)とスティーヴ

7. ナチス

ピストルズがナチスのイメージを使っていることに無関心だった(当時は)。「誰かの感情を傷つけることを気にするよりも、物事を揺さぶることの方が重要だった」。

8. パンク

ピストルズはラモーンズのコピーをしていない。ピストルズはニューヨーク・ドールズやフェイセズから影響を受けたが、CBGBのメンバーからは影響を受けていない。「アメリカ人がパンクをはじめた」という説に憤りを感じている。ニューヨーク・パンク全般が好きではなかった。最も嫌いだったのはパティ・スミス。

9. ギター練習法

ジョーンズは、ギターを弾けるようになったのは薬のおかげだと考えている。スピードのおかげでギターの練習に集中することができた。それがなければローリングストーン誌で 97番目に偉大なギタリストに選ばれていなかったと感じている。

スティーヴと言えばレスポールだが、フライングVを使うことも

10. ザ・スリッツ

ピストルズメンバーの性欲は、ジョーンズが一番で、次にポールが 続き、ロットンは全く興味がなかったという。ロットンは、ザ・スリッツのヴ ィヴ・アルバ―ティンにフェラチオをしてもらっても、「やり方が間違っている」と文句を言っていた。
ヴィヴの著書『Clothes Clothes Clothes, Boys Boys Boys, Music Music Music』の中に、ジョーンズのヤリチンエピソードがあるが、彼は反論している。ヴィヴがジョーンズにフェラチオすることを断った後、ジョーンズがその代わりに彼女にオーラルセックスをすることを提案している。彼に言わせれば、あれは紳士的でフェミニストな立ち回りだったという。

11. クリッシー・ハインド

クリッシー・ハインドはピストルズメンバー候補だったが、すべてのパンクバンドが 彼女を拒否した理由は、彼女が女だったから。ザ・プリテンダーズが大ヒットしたとき、最後に笑ったのは彼女だったとジョーンズは認め、懺悔している。

親友のクリッシー・ハインド(ザ・プリテンダーズ)は本書に序文も寄せてくれている

12. メジャー志向

ジョーンズはインディー・レーベルのファンではない。そもそも彼は自分で雑誌を作ったりレーベルを立ち上げたりすることが大嫌い。プロを好んだ。パンクの美学に反していたかもしれないが、彼は常にメジャーレーベル志向だった。

13. ビル・グランディ事件

ピストルズがビル・グランディに出演した際、悪名高いインタビューによって、バンド存続の危機を迎えた。それまでは音楽が全てだったが、この事件を機にメディア中心に動きはじめた。

14. シド・ヴィシャス

シド・ヴィシャスは演奏ができない。彼の名に恥じないようにシド・ヴィシャスでいることに全力を尽くしたので、バンド内外はアナーキー状態だった。
ジョーンズはバンドメンバーのガールフレンド全員とヤった。もちろんナンシー・ スパンゲンとも。
また、シドの死に対して、当時は何の感情も持っていなかった。記者がシドの死について電話をかけてきたとき、「レコー ドがまた売れるね」と深く考えることなく答えたが、その後、後悔している。

シドの加入からバンドの歯車が狂い出した

15. ピストルズの終焉

ジョーンズはピストルズはいずれ燃え尽きてしまうと考えていた。彼はバンドを「フットボールの賭けに勝ち、金を全部使い果たし、 最後は自殺してしまうクソバカ」と例えている。

16. ドラッグ依存

ジョーンズがアルコール依存症からジャンキーになった理由は「運転手付きリムジンがあるのに、なぜ依存症のウーバーに乗らなきゃならないんだ?」。

17. ザ・クラッシュ

ジョーンズは密かにザ・クラッシュに入りたいと思っていた。彼らが最高にい いヤツラで、一緒に笑える、地に足の着いたヤツラだと思っていた。ヤツラとの関係性に比 べ、ロットンとの関係性は対照的だった。

クラッシュのポール・シムノン(左)はバイク仲間

18. グレン・マトロック

ジョーンズは、ジョン・ライドンの著書に掲載されている有名なエピソードに反論している。ジョーンズがマトロックを騙し、自分の精液が入ったサンドイッチを食べさせたという事実はない。ただ、湿ったパンを女性の陰部のように(自慰に)使う方法を教えたことはあった。

19. ジョニー・ロットン

スティーブ曰く、ロットンは甘やかされて育った子供で、ピストルズの再結成ツアーの足を引っ張っている。
ピストルズの再結成ツアーがもう行われない理由は、お金にならないから。

■ 「Pistol」トレイラー

https://youtu.be/QPkGjZsjq3E

2022年、テレビドラマ「Pistol」
監督:ダニー・ボイル(「トレインスポッティング」など)

「ジョニー、そろそろ黙ってもらおうか。ここからは俺が話す番だ」

「パンクの定義」を根底から覆す禁断の書。
盗め! 盗め! 盗め! ボウイの機材一式、ストーンズのコート、メンバー全員の彼女──。
窃盗、セックス、酒、ドラッグ──すべてに溺れ、生き返った男。セックス・ピストルズのオリジナルメンバーによる超絶アナーキーな生き様。


電子書籍はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?