【小説】初恋(あるいは野原しんのすけの腰痛について)
ミスタードーナツ西秋葉原店から南側のアパート、そこの52階で彼女は死んだ。その日は丁度クリスマスの1ヶ月後、雪降っててめっちゃ「寒くて冷たくて」服ごと身体を燃やしたくなりそうなほど「寒くて冷たくて」やばげやばげな夜だった。
花火、あんまりにもあんまりだったので、私は彼女に花火を見せようとした。「冬に花火は売ってない」大人気マンガ『ドラえもん』でも、のび太のおばあちゃんが涙ながらに訴えていたこの不変の真理に挑んでやりたかった。冬にでっけえでっけえ花火を打ち上げて、中国の旧正月を超えるBIGEVENTをぶち上げてやろう!!そのチャレンジ精神を彼女に認めてもらえば万々歳!!
そういう気持ちだけ持って、私は彼女のアパートの前にたった。ガラス戸の向こうには真っ赤な目指し帽と真っ緑のレザーベルトを身に付けた超長身の貴婦人と、小学館に持ち込んだ原稿をシルクハット型のシュレッダーにかけて出来たパスタをお餅と一緒に嚥下し続ける羊飼いが見えた。
「苦しまずに死ねる方法、教えてあげまよ」
羊飼いは童謡『おおかみと嘘つき泥棒』を鼻で口ずさみながら、声帯を震わせて物語った。その光景に感動したので、私は火薬玉に彼らの第2ボタンを詰めて、彼女のいる52階目掛けて豪快に打ち上げた。
ぺし
ぺし
ぺしぺしぺしぺしぺしぺぷし〜!!
ペプシの妖精(ペプシマンの再従兄弟らしい)が羊飼いの首を締める音を響かせていた。同時に、一階の天井から彼女の部屋の床下を一直線に貫いて!!花火が炸裂した!……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………どれだけの時間がたっただろうか?私はいつの間にか意識を失い、アパートの地下牢に放り込まれていたようだ。ふと目線を前にやると、金魚鉢の中でシロイルカの生首がハウリングをしていた。
「うまいもんだねぇ〜あたしゃ感心したよ」私は大わらわでシロイルカを称賛した!!
小三郎「絞首刑です」
私はそこで思い出した!!シロイルカの小三郎は、日本で7本の指に入る超鬼畜裁判官だったことを!!小三郎はどんなに冤罪が疑われる事件であっても絞首刑を宣告する。それは被告人がデュラハンであっても変わらない。
デュラハンとは首と胴体が完全に分離している種族のことであり、小三郎はデュラハンと大阪人のハーフなのだそうだ。そういえば、52階の彼女もデュラハン系ニッポン人だったっけな〜!!!あ〜早く首絞めてくんねえかな〜!!(彼女は花火玉で十中八九死んでるだろうから)
カノピをだしてくれ〜!!!!!!!!、!
私は小三郎を神龍だと勘違いしていたので、恥ずかしげもなく自分のULTRAエゴをぶつけてしまった!!そして赤面タイムに入る。それから三時間後、小三郎は「燦燦と流れる3択をだしつづけるサンタクロース」という名句を私に投げつけた。なるほど、これは脱獄のためのヒントにちがいない!!私は録画しておいた「さんタク」のビデオテープを小三郎の水槽に投げつけた。
小三郎「許してくれ」
小三郎はたまらず牢の鍵を開けて、てんどんマンのように脳蓋をメシメシとぶち上げて、そのまま動かなくなった。脅威はここで完全に沈黙したのである。
小三郎への一方的な怒りも収まったので、私はアパートの住人をめちゃ殺してしまった事実を受け止めて、さっそく絞首台に向かおうと思った。廊下を100メートル歩くとドアがあり、そこには「絞首台こちら」と書かれていた。親切な人もいたもんだなぁ。しかし、扉の先には先客がいたのである。そう、そこには、私が殺したはずの彼女がいたのである。
彼女の名前は「マリオパーティDS」なのだが、みんなは訳して「マリD」と呼んでいた。そういえば昔、
「なんすかマリDって(笑)テレビ朝日のディレクターっすかwwwwwww」
と、僕の友人であった太郎丸(仮名)が彼女のあだ名を馬鹿にしていたが、そいつは三日三晩視聴覚室で水素ガスとアンモニアを混ぜたビールを飲み続けたあと、「ミスタードーナツ」とだけメモを残してそのまま行方不明になった。きっと、マリDは気に入らない人間を何らかの方法でマインド・コント・ロールすることにより、私たちの住む「仇凝村」から追い出していたのだ。つまり、私は、これから・・・・・・・・・・・あれ、おれのかのぴ、しんでないじゃん。でも、おれさいしょかのじょ、しんだっていったよね、よね、
ね、ね、ね、ね、ね、
お
おれは野原しんのすけになった。
理由は無い
おれは
尻を振らなければならない
おれのせいで
初恋の
あの人は死んだ
彼女に会いた/
会おうとは思わない
かける言葉なんて
たくさんあったは/
なにも見つからない
おれがしっかりとあの世の
かのじょに
むきあえるまで
オレは
こうするしかない
おもいつくまでは
こうするしかない
こしが
もう腰がやばいけど
ほねが
すりへって
きっとそのうち
ぜんぶ
こな
にな
る
でも
このいたみだ
このいたみだけが、
オラと
カノジョを
つなぐ
かけはしなんだ
なんだ
なん
で
なん
だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゾ?