タイ交換留学ーバッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017, タイ)から見るタイの大学の様子

この記事がカバーしている内容

✅バッド・ジーニアス 危険な天才たち(映画)の概要と一部内容
✅タイの学校の様子
✅タイの学生の様子
✅タイの学校の仕組み
✅タイの学校の授業の様子

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017, タイ)の概要

中国で実際に起こったカンニング事件をモチーフに製作されたタイ映画で、同国で大ヒットを記録したクライムエンタテインメント。天才少女を中心とした高校生チームが世界規模のプロジェクトに挑む姿を描いた。小学校、中学校と優秀な成績を収め、その頭脳を見込まれて進学校に特待奨学生として転入を果たした女子高生リン。テストの最中に友人のグレースをある方法で手助けしたリンの噂を耳にしたグレースの彼氏パットは、試験中にリンが答えを教え、代金をもらうというビジネスを持ちかける。さまざまな高度な手段を駆使し、学生たちは試験を攻略。リンの売り上げも増加していった。そして多くの受験生の期待を背に受けたリンたちは、アメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試「STIC」攻略という巨大な舞台に挑むが……。

映画.com (https://eiga.com/movie/88464/)

対象とする"学校"について

現在、ぼくはチュラロンコン大学のBAScii (Bachelor of Arts and Science in Integrated Innovation)という学部に交換留学しています。
この記事では、チュラロンコン大学のインターと友人などからタイの学校について聞いたことを書きます。

特徴

学校のランクとお金

映画の中で、大きな図書館やMacが揃えられたコンピュータ室などがでてきますが、すべての学校で同じような設備があるわけではありません。

タイの大学では、公立の学校でも、地域や規模、レベルなどによって学費や設備が大きく異なります。基本的には、いい学校ほど学費が高く、良い設備があるため、お金持ちほど良い教育が受けられるようになっています。

実際にチュラロンコン大学では、学部ごとに建物と学部の組織があり、学部やインターかローカルかなどで学費が異なります。

授業、テストはチーム戦

映画の中で、複数の生徒が協力してカンニングをするというシーンがあるのですが、タイの学校では、他の学生と協力することはとても重要です。個人的にタイの学生のチーム意識はかなり高いと感じます。

ぼくは、チュラロンコン大学に交換留学して、最初のセメスターの授業で、タイ人学生の間でグループがあるのを感じました。

そもそも、多くの授業でチームをつくって行う課題が多いです。そして、チームなのですが、教授が指示する前にほぼ決まっています。多くの場合、タイ人学生は、仲のいい友達同士で話し合って同じ授業をとっています。ですから、当然その集団がそのまま授業でのチームになります。

課題や授業中の発表、テストでは、チーム内での連携がすごいです。
例えば、授業中に、準備していなかったことについて発表をしてと教授にいきなり言われた時、自分たちの発表の順番までの15分でみんなで協力してスライドとスクリプトを完成させました。また、テストのときにチームメンバーの一人がテスト対策ノートをシェアしてくれたこともありました。

面倒なことはギリギリまでやらない

映画の中で、ある生徒がテスト直前に時間がなくて勉強できなかったからカンニングさせてほしいと頼んでいるシーンがあるのですが、実際タイ人はこんな感じでなんでもめんどくさいことは後回しにします。というか、タイ人に限らず誰でもですが。

実際に、チュラであるのは、テスト期間だけの猛勉強とグループ課題の闇です。

まず、テスト期間だけの猛勉強ですが、テスト期間だけ図書館や学習スペースが満員になります。また、図書館が24時間開放されるため、数日泊まって勉強している学生もいます。

次に、グループワークの闇について、基本的に課題が出されても、締切数日前まで誰も何もしません。そして、締め切りギリギリに課題を始めるためかなりのハードワークを強いられます。実際にあったのは、チームでテーマを決めて発表をし、それを録画してYouTubeにアップし、リンク提出という課題で、締切2日前にテーマを決定したということがありました。このときは、とても大変でした。
ちなみに、早めにやるように声をかければ?ということなんですが、もし、これをするとグループのリーダーなどにされて大変な思いをします。

富裕層の息子、娘

映画の中でめちゃくちゃお金持ちの家の息子がでてくるのですが、タイでは、実際にこのような超お金持ちがいます。タイでは経済格差が日本と比べて大きくすごくたくさんお金を持っている人と全然お金をもっていない人がいます。

チュラのインターに通っている学生の多くは、タイの富裕層の家庭のお坊ちゃん、お嬢さんです。なぜわかるのか?
それは、ぼくが交換留学している学部は、日本の国立大学より学費が高いのと、彼らの持ち物、身なり、お金の使い方とがくなどからわかります。

例えば、授業で教室に行くとLV, Dior, Hummar, Chanel, Gucciなどのかばん、靴、服などを身に着けている学生が結構います。また、ほぼ毎日スターバックスの飲み物を持ってきている学生もいます(タイで、スタバは日本より高いです)。身だしなみもきっちり整えている学生が多いです。また、一度同じ学部のタイ人の友達と遊びに行った時、ちょっと買い物するから待っててと言われて、彼らはLVの店に入って行きました。

また、典型的なタイ(アジア)のお金持ちのステータスに、欧米への留学と学位があります。そもそもチュラロンコン大学はタイでトップの大学ですし、交換留学でもぼくの学部では、欧米のトップレベルの大学へ交換留学したり、高校時代に欧米にしていたりという学生が多いです。

インフォーマリティ

映画の中で、直接現金を受け取ってカンニングをサポートするというビジネスが行われるのですが、そこまではいかなくても、タイの学校では、インフォーマリティが見られます。

例えば、テスト時期に、テスト範囲の内容をまとめたノートを作って友達に売っている学生がちょこちょこいるようです。

ちなみに、インフォーマリティに関しては、タイだけでなく、アジア圏でみられる現象です。

まとめ

映画、バッド・ジーニアスは、普通に見るだけでもおもしろいですが、タイの学校の様子という点に着目してみてみると更に気づきやタイについて知るきっかけがあるかも知れません。


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