不完全なメンタル装備がつくる歪んだ現実

毎週月曜日に秘教本の朗読と解説をしています。

最近は、『グラマー　幻想と錯覚の克服』という本をとりあげています。これは、現代の多くの人たちに読んで欲しいというか、グラマーやイリュージョンという概念を知って欲しいなとつくづく思います。

グラマーやイリュージョンとは、自分の感情や思考の階層につくりだす幻想、妄想、錯覚のことです。それは個人の中にもあり、集合的な意識の中にもあります。

今、起きているロシアのウクライナ侵攻も、まさにグラマーとイリュージョンだらけの闘いと言えるかと思います。そしてその出来事をきっかけに、さらなるグラマーとイリュージョンが生産されていく。

その一節をご紹介します。

「メンタル的なイリュージョンは、別の形の理想の入る余地を与えない一つの理想に具体化されたアイディアと言ってもよいであろう。そのため、それがアイディアとの接触を不可能にし、その人は理想と理想主義の世界に束縛され、それから逃れることができなくなり、このメンタル的なイリュージョンがその人をつなぎ止め、限定、束縛してしまう。このように、良いアイディアがいとも簡単にイリュージョンになり、それを感知する人間の生活において悲惨な条件づける要素になるかもしれないのである」

「したがって、アイディアが理想へと変換された際に、それがアイディアを完璧に提示しているものであり、完全に説明し解釈するもの、他のアイディアとは無関係な別のものと見なされた結果として生じるのがイリュージョンであると定義することができる～それは、宗教的な性質のもの、もしくは明らかに宗教とは無関係なもの、その両方に言えることである。この文章に、分離が起こる道筋と、神のアイディアの様々な意味合いを相互に関連付けることのできない人間の無能さが述べられている」

多様なアイディアの源は一つ。おそらく愛と平和の体現が根源にあるものでしょう。しかし、人間のメンタル装備では、各人が一部しかキャッチすることができない。それがすべてで完璧な理想と思った時に、そして他を排除したときにイリュージョンが起きる。

自分の中でイリュージョンやグラマーをつくりだしたり、強化していないかをチェックする必要があります。