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真夜中の太陽

最近、資料を読んだりいろいろ調べものをしていると出てくるキーワードは「真夜中の太陽」という言葉。

太陽が見えるのは昼間ですよねー。当たり前だけど。

真夜中の太陽は、大地を突き抜けて地球の反対側の向こう側にあります。つまり、地球という物質を貫き、透明にすることで見ることができる、太陽の霊的側面のことを象徴的に「真夜中の太陽」というそうです。

霊的な太陽っていったい何でしょう?

真夜中に
太陽を見よ。
生命なき地のなかに
石で築け。

そうして衰微の中、
死の夜のなかに
創造の新たな始まり、
朝の若い力を見いだせ。

高みで
神々の永遠の言葉が開示し、
深みで
平和に満ちたやすらぎの場が守られる。

暗闇の中に生きつつ、
太陽を創造せよ。
物質の中に活動しつつ、
精神の喜びを認識せよ。

『ルドルフ・シュタイナー 瞑想と祈りの言葉』 西川隆範編訳


冬至の、もっとも陽が短く太陽の力が弱まっている季節に向けたシュタイナーの言葉です。

とはいえ、昼間であっても、私たちは太陽を見ることができているのでしょうか? 太陽はあまりにも光が強すぎて、なかなか直視することができません。昼は太陽が見えているというよりは、太陽の光を反射した周囲のモノたちがよく見えている、と言っていいかもしれません。

視覚で見ることができる物質世界を照らしているのが昼間の太陽。夜の太陽は、物質世界ではなく霊的世界を照らしだす太陽です。

暗闇の中でこそ、自分のうちにある太陽を見いだすことができる。

これは、毎年やってくる冬至~光の誕生の時であるクリスマスにとって大事な視点です。

光の誕生を見た自分たちは、その後は、その光の力に浸されることで、闇から抜け出し光に続く道を見いだしていくことができるようになり、めざさなければいけない。

物質主義が極まる世界ですが、物質の中に本質を見いだし、本質のある界層で生きるよう、方向転換できるかどうかの分かれ目が、ここにあります。

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