魔術とその修行
人間とはみんなが魔術師になれるポテンシャルを持っています。ここでいう魔術とは「意図したものを現実化すること」です。
神が様々なものをつくりあげた大魔術師であるとすれば、人間も現実をつくる創造者です。そして、どういう現実をつくるかが、白魔術なのか、黒魔術なのかの違いとなります。
黒魔術師は利己的な意図を持って働くものであり、白魔術師はグループ全体の善のために愛と叡智をもって働きます。
人間はそもそも、物質界の質料をまとっていることで、黒魔術に巻き込まれるリスクを負って地上に顕現した霊的存在であると言えます。ですから、白魔術師になるには、自分を整えることが必要であり、自分をよりよく整えていき、認識できる範囲が広がっていけば、もっと広範囲にわたって働けるようになっていきます。
認識の範囲と言った時に、物質界に関することのみならず、エネルギーの界層(低次~高次まで)についての認識も含まれます。
白魔術になるということは、人間の生きる目標であるともいえるし、自分を整え、人類全体、地球全体、太陽系全体に対して役に立つようになっていくことが、生きる指針であると言ってもよいでしょう。
そのためにやることはたくさんあります。自分の肉体と呼吸を整え、アストラル体(感情体)を統御し、アストラル界の沼にはまらないようにし、センター(チャクラ)とエネルギーを整え、エネルギーの正しい使い方を覚えることが必要です。
また、占星学とエネルギーの関連性を知り、私たちの周囲にあまたあるエネルギーを識別する能力が大事になってきます。自分の中に訪れる「直観的」なものが、単なる思い込みなのか、普遍的なものなのかを注意深く識別する必要があります。
瞑想は肉体、アストラル体、メンタル体という低位我を鎮め、識別力を高める上で重要な行いです。
自分の中に芽生えた(または高次から受け取った)善なる意志を物質世界に降ろしていく時に、幻想・錯覚(グラマーとイリュージョン)に惑わされないためには、識別力・認識力を発達させることが重要です。
ですから、感覚的、感情的(アストラル的)レベルにとどまる危険性を認識し、メンタル的な発達を心がける、つまり意志と目標を持ち学びを積み上げる修行が必要になることは言うまでもありません。
秘教の法則性に沿って忍耐強く修練すれば、7年経てば大きな変化が感じられると言われています。そのための、学びの地図を持つことはとても重要です。
*ここでは、秘教的文脈での魔術についての、私の解釈に基づいています。
主な参考書籍。
『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』ルドルフ・シュタイナー著
『ホワイトマジック』アリス・ベイリー著
『魂の光 パタンジャリのラージャヨガ経典』アリス・ベイリー著
『インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガスートラ』スワミ・サッチダーナンダ著
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