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【DAY2】チームというのは言葉ではなく、それぞれの気持ちが重なり生まれるもの
MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020
【DAY2】
小豆島→香川引田インター 54.3km
夜中なのにちょくちょく子どもたちが連れ立ってトイレにいったり、話す声が聞こえてくる。今何時なんだ?と枕元のスマホをタップすると3時だった。どうしたものかと思って翌朝聞くと、子どもたちは夜中に目が覚めてしまって、そのままウトウトしながら朝を迎えたそうだ。
そのおかげというかなんというか、今朝の5時半起きの目標にたいして、子どもたち全員が5時にはなんだんだゴソゴソしているという結果が出た。おもしろいなこういうの、できるできないも大切だけれどソワソワして起きてしまうものというのは、ほんとに「いま」を感じているんだなと思ったりする。
当の本人たちによると、今日起きれたのはたまたまだそうだ。そして、みんなが起きれるようにするために目覚まし時計を100均で買ったのに、夕食のあとに試してみようとイジっていると、思いがけず取れてはいけない部品が取れてしまったようで、アタフタしていた。こういうアンバランスさがなんとも子どもらしくおもしろい。
さて、今日は振り返りというよりも子どもたちの様子のこと。
あれだけ早く起きて、片付け・準備もそこそこ早く終わらせて走りはじめたのに、最初の朝ごはんで40分以上かけて朝ごはんを食べて、のそのそとミーティングをし、結局コンビニの端っこで1時間半以上を使ってしまった。
こりゃ時間を管理するということについて説明しないとと、夜のニーティングのときに「どうしたら1日に走る距離は伸びるか」というところから質問をしていった。そしたら、そうして筋道をたどってあげると、きちんと彼らの考えはゴールにたどり着いた。
どうしたら1日走る距離が伸びるか。その答えは。
「時間を節約すること」そして「スピードをあげること」。
「時間を無駄にしてはいけない」というダメなことはダメ理論から入るのではなく、どうすれば自分たちの目標としているものをクリアできるのか、そのためにはどうすることが必要なのか。そうしてはじめて時間を管理したり、パフォーマンスを高めていくことに自分ごとという意識が生まれるんだろうなと思う。
もうひとつは気持ちのこと。
今日のミーティングで彼らの何人かが「チームのことをしているのに、遊んだり他のことをしてしまう人がいる」という話を出した。僕も当然少しそれが起こっているときに話したから意識に残っていたのもあるかもしれない。今日はそんなタイミングが2度ほどあった。
ひとつは今日も夜のテントを張る場所を見つけるのが難しそうだから午後のタイミングで地図を開いて作戦会議をしようと入った休憩。地図を開くまでは一緒にいたのだけれど、そこから少しずつフェードアウトしていくメンバーが出て、後ろで笑い声が聞こえはじめた。
僕と◯◯は地図を何度も見返してどうすればいいか策を練る、けれどもそれはそっちのけで遊び始めるメンバーがいる。そんなサンドイッチの気持ちを拾ってくれたのがほのかだった。
「ほのかはみんなで話がしたい」
子どもたちを見つめ、涙をためながらそうひと言はなった彼女に、まわりはきっとびっくりもしただろう。それでいい。論理だけじゃない、人には気持ちがある。それを素直に伝えられること。大丈夫きちんとほのかにも伝わってる。
このことは夜のミーティングで話した。
僕が旅のはじめにルールはないけれど、これだけは守ってほしいと伝えたこと。
それは誰も置いてけぼりにしない、ということだ。
誰か困っている人のことを放っておくということだけではない、それは誰かの気持ちをひとりぼっちにしないということ。きっと午後のミーティングであれば、僕も◯◯も地図を確認しどこだったらテントをはれるか考えながら、寂しい気持ちになっていたと思う。
チームのためにやっているはずなのに、そのチームはそこにないような寂しさ。だからそのことも夜のミーティングでそのまま伝えた。チームというのは言葉ではないのだ。それはそれぞれの気持ちの集合したものなのだ。
だからこそメンバーが語るチームというものが、そうあってほしいなと思う。少しずつ、時間をかけて。
さて今日の様子の振りかえり。
高松に向かうフェリーの時間に合わせて昨日の中多さんがまたジュースやアイスを持って駆けつけてくださった。見えなくなるまで手を振ってくださった。
高松港に到着してさあフェリーから出るというタイミングでポケットに手を突っ込み焦っている◯◯。どうやら船にデジカメを置いてきたと聞いて僕も青ざめかけたのだが、そこは船員さんが見つけてくださり解決した。オリンパスからのご厚意でレンタルいただいたものなので冷や汗かくわ。
高松で都会やなぁとびっくりし。お昼は本場のさぬきうどん。このために参加したという子の夢を叶えてあげなくては!と張り切って調べていったのだが、感想は「まあまあ美味しかった」と一言。一同ズッコけた。
午後は平坦が多かったこともあるけれど、だんだんと旅の自転車に慣れてきたこともあってなんとか距離もまとまって走ることができた。苦労したテント場探しも、地図で見つけたポイントがバッチリの場所だったので僕もホッと一息。
そうして夜には僕が2008年にネパールで出会ったわたるくんが急遽差し入れを持ってかけつけてくれ12年ぶりの再会。子どもたちはジュースにドーナツに大満足しながら僕らが話しているときにUNOをやりまくって叫びまわっていた。
ミーティングも少しずつ発言が自分からできるようになってきたし、そこで使う言葉も増えてきた。相変わらず1日数十回、考えるまえに質問が飛んできたりするけれど、見守っていこう。
今日は涼しい風のある夜で、蚊に襲われずにこれをテントの外で書き終えることができた。なんたる幸運。明日も5時おきだそうですので寝ます。今日もやり切りました。おやすみなさい。
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![西川 昌徳(にしかわ まさのり)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63566105/profile_9df58da5981316945ef97dce10223b92.jpg?width=600&crop=1:1,smart)