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【DAY11】目標に手が届くことがはっきり分かった子どもたちは、どこかこれまで定めてきたものにモヤがかかっているように思う。

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY11】
松前町→しまなみ海道大島 70.0km


この旅のなかで子どもたちの心のうちを見通すことができるのか。
この12日間では僕たちは家族になることができるのか。
答えはNOだと思う。

12日間では、それを垣間見ることができるときがある、家族のように感じることができるときがある、としか言えない。
だったらそれは理想論としてあるだけだと言うかといえばそんなつもりは全くない。彼らが心のなかをさらけ出せるように、自分がその準備を整えておくことだけだ。

少しずつエゴが出てきた。
「自分は調子いいからグイグイ走りたいのにみんなが遅くてついてこない。」
「誰かが自分のことをあんまり手伝わないと言っているらしい、自分にはきちんと理由があってできなかったのだからミーティングの議題に出して欲しい。」
「さっきまで何もしなかったくせに、いきなりこれはやりたいとか都合がよすぎる。」


そんな声が聞こえてきたときにどうするのか。
僕はその発言が出たとき、自分がそれを言われたときに、その発言に対してどう言葉を返すかでしかないと思っている。そしてそのひとつひとつに自分の感情を入れすぎないこと。


みんなそんなシンプルじゃない。僕ももちろん。相手によって出すところ出さないなんて意識してなくてもあるだろうし、ものごとが起きたときにも自分なりの解釈をしている。だから何かの声が聞こえてきたときに、それをチームの課題として僕らが認識し、それに向けて動いてしまったらきっと見えなくなってしまうこともあると思ってる。

どうしていいか分からなかったと報告してきたほのかに、子どもたちのなかのことは彼らが解決の糸口を見つけるべき、僕らはそれがこじれないこと、それからその後の様子をしっかり見守っているべき。いつどこかで子どもたちが声を出したとき、それに答えられる自分でいるためにこそ「自分がどうあるべきか」を自分で定めていないといけないと思う。と話をした。


目標に手が届くことがはっきり分かった子どもたちは、どこかこれまで定めてきたものにモヤがかかっているように思う。

それは自分を律するというところでも、それから誰かを思いやるということでも。それは問題でもなんでもなくて、きっと自分もそうだと思う。危機感を感じているときには集中力が出るし、それが過ぎ去ったときには、自分の甘さに寄りかかるようになる。


そう思うと、去年までの自分なら「ちゃんとさせたい」という思いのもとにどんどん叱ったり、そこに介入していたと思う。見えなかったものが見えるようになる。知らなかった感情に気づくようになる。いつだって成長の機会をもらっているのは自分のほうだ。この機会をこうして持たせてもらえること、それに命を守るという責任はただ「大変」というひと言で語れるもので決してはない。


長くなりました。子どもたちの様子です。さすがの暑さで気持ちが先にふにゃる子が多い。そうするとあからさまにペースが遅くなるし、何より集中力がなくなる。そんなときに声をかけずに、子どもたち同士で声をかけあうまで待てるかどうか。そんな我慢くらべの毎日です。体調として不調が出ているのか、それとも気持ちなのか、その見極めというか、見守りというかが僕らがいる意味だと思って接しています。


そういう意味ではこの子たちは、ずいぶんと声かけができるようになったし、誰かがトラブったときにその子が声をあげるとすぐに駆け付けられるようになった。誰かと会ったときに、きちんと声を出せるようになった。昨日もたくさんがんばってと声をかけてもらったし、昼はおもいっきり遊べたし、夕方には今晩のキャンプ場を提供してくださた久保田さんのお家の前の海でお家の子どもたちと一緒にたくさん遊んだ。


最後のキャンプ。海辺で遅くまで話している子。いつもより日記を長く書いているのか、テントに入った子のところも灯りがしばらくついていた。今日は子どもたちの牛丼づくりも時間がかかったから、大人がそれから自分たちの料理を作って食べるのは10時から。空一面に星空が広がっているのを寝落ちしそうになり寝っ転がりながら、そうしてまた手を動かしながら、こうしてその1日のことを振り返ったりします。


ゴールの明日という日を子どもたちはどんな1日にするのでしょうか?
そのことを朝のミーティングでそれぞれ話そうということになっています。
ゴールまで残り60kmほど。どんなに惜しくても、僕たちの旅は「あと1日」。

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西川 昌徳(にしかわ まさのり)
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