有機のお野菜みたいに【8/29-9/04】
土曜日は箕面のファーストピースサークル、日曜日はひらがなを話す会。
「回を重ねるごとにプラクティスが増えていく。大変だーって思うけど、私は宿題は嫌いなのに、このプラクティスは嫌じゃない。」とある参加者が言った。すごくわかるなあと思った。8つの方角をひとつひとつみんなで感じて、それぞれの生活で生きて、またそれぞれの経験と感覚を持ち寄ることを10ヶ月やるうちに、私たちのいろんなところがげんきになっていく。
「前回まで、僕は学びを全然学び切れてないって思ってた。だけど今回、ちょっとは学べてきたかなって感じがします」とある人が言った。その言葉にひでは、「めっちゃ変わってますよ。すんごい変わってる。あなたも、もちろんみんなも。」と力強く返した。私も心からそう思ってうなずいた。その言葉を受け取る彼も、みんなに向かって真っ直ぐにそう伝えるひでも、大きく頼もしく見えた。
南西の方角らしく、何度も何度もトーキングスティックを回して、数時間話して聴く時間を共にした。最後、何を思い出しましたか?という問いで、トーキングスティックを持った9歳の男の子が言った。「僕はまだ9歳か10歳だってことを思い出しました。まだまだ先は長いなあと思った。」私はその言葉を受けて、「急いで大人にならなくていいよ」と言った。その言葉に大人たちから「安心した」「私もそう言われたかった」という言葉が返ってきた。
成長を急かされることは生命の痛みだなあと思う。私たち大人は、大多数の人が成長を急かされることの痛みを持っている。この痛みが自分にちゃんと認められていない限り、変わるとか成長することへの抵抗はとてもとても大きい。だけど本来、変わるとか成長するということは本当に美しい、ただただ自然な力強い生命の働きだ。種が芽吹いて花が咲き実になってまた種になるのと同じ。生命のペースを早めようとすることはもちろん、留めようとしたり遅らせようとすることもまた不自然だ。
私たちはみんな有機のお野菜や自然の木・赤ちゃんと一緒。ちょっとずつちょっとずつ見ててもわからないくらいゆっくりと、だけど気づいた時にはすっかりあっという間に大きくなっていってる。だけどそれには時間がいるし、雨の日も風の日も、私は生きる、私は育つ、っていう自然な意志=生命力がいる。その意志だって自然の一部だ。それがなかったら植物も動物も人間も、この地球からとっくにいなくなってるんじゃないかと思う。
Earth Partnerでひらく場は、全部道だ。自分のどこにどんなふうに不自然が起きているのかをひとつひとつ確認しては自然に還していく道とも言える。
日曜日はひらがなを話す会。ひとつのワークが終わった時、どうしても距離を取ることが難しい声がある、と1人の女性が言う。無理に距離を取る必要はないので、その声と同一化するんじゃなくて、そして何もしなくて、ただ一緒にいてくださいと私たちから声をかけた。彼女は頷いて、その通りにただ声と一緒にいた。時々涙を流しながら、時々目を瞑りながら、自分の内なる声とただ共にいる様は、ものすごく尊い人間の姿だった。彼女の姿を見ていて、また有機野菜のことを思った。
居心地が悪いことは気持ち悪い。文字通り、心地が悪い。すぐ振り切りたいし切り捨てたいしどうにかしたくなる。でもその気持ちを振り切ったり他の良いもの風に変えたり切り捨てたりするのって、庭や畑に除草剤や殺虫剤を撒くのととっても似てる。楽チンでその瞬間は快適。生命の一部が死ぬし循環を止め続けなきゃいけないけど。
それをしない有機のお野菜や野生の何かを買うとき、かけられた時間と手と心を思ってものすごく尊いものを頂いているような、ありがたい気持ちになる。大切に大切に育てられたそのお野菜たちは、人の身体に入ることで病んでる身体や心を治すこともあるし、育つ過程で虫や草や鳥や、土中の生命たちの循環を支えもする。なんて尊い、ありがたい存在!居心地の悪さに佇む彼女を見ているとき、有機のお野菜を頂く時と同じような気持ちになった。
居心地の良さにも居心地の悪さにも振り回されない胆力を育てながら成長の望みに素直でいる、有機のお野菜みたいな大人たちで輪になって歩いていく未来は、子どもたちに残したい未来そのもの。地球も喜ぶに違いない。その時、山も海も空も青いに違いない。
有機のお野菜みたいな、生きている私たち!
今週も、栄養をいっぱい吸い込んで、伸びたい方向にのびのび手を伸ばして、生きていきましょう。
Earth Partner
里菜
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