私の結婚線は、心の「柱」との出会いを示すもの。
こんにちは!Earth Companyのマーケティング担当の樋口です。
突然ですが、先日うちの前で20歳くらいの男の子が倒れ込んでて、お巡りさんに抱えられながら「大丈夫か?」「調子が悪いのか?」と聞かれていました。
「家はどこだ?」「仕事はしてないのか?」という質問に、静かに首を振る彼。痩せた頬に、力のない手、履き潰した靴...。
その表情には、未来に何の期待も、希望も持っていない、悲しさが滲んでいました。
私の心の中のロビン・リム
私はその様子をただ見ているだけで、しばらく動けずにいましたが、我に返って一度部屋に戻りました。そして、とにかく食べるものをと、レトルトカレーを持って外に出たら、お巡りさんも男の子もいなくなっていました。
動けなかった時間は、実際には10秒くらいだと思いますが、私の頭にはIMPACT HERO 2016 ロビン・リムの顔が浮かんでいました。
【写真】IMPACT HERO 2016 ロビン・リム
ロビンはEarth Companyが支援する助産師で、バリ島で24時間365日無償医療を提供するブミセハット国際助産院の代表です。
ロビンはいつだって、目の前で苦しんでいる人を放っておかない。というよりも、考える間もなく、気付いた時には手を差し伸べていると言った方が近いかもしれません。
それは恐らく、常に命が関わるお産の現場で、一分一秒を争う判断をしているから。そして何より、愛に溢れた人だから。
「もしもロビンだったら、今すぐこの男の子に声をかけて、ハグをしてあげるんだろうな」
そう思うと、そのまま何も見なかったことにはできませんでした。とはいえ、結局レトルトカレーは渡せなかったのですが....。
無意識のうちに諦めていた自分を、目覚めさせた言葉
その直後、2020年最後のチャレンジと、IMPACRT HERO 2021ファイナリスト10人を発表するFacebookライブがあったので、気持ちを切り替えて配信に臨みました。
ライブ配信の後半、IMPACT HERO 2021の選考で、アジア太平洋地域で活躍する社会起業家の候補者に、担当者がインタビューをした時の話になりました。そこで、ファイナリストの一人で、東南アジアで労働搾取や人身売買の被害に苦しむ移住労働者の支援を行うパティマの話題になりました。
【写真】Facebookで紹介された、Patima。その活動が評価され、ノーベル平和賞の候補者にもなった
「あなた自身が、活動の中で身の危険を感じることはありませんか?」
という担当者からの質問に対して、パティマは
「私は誰とでも、話せばちゃんと説得できると思っているし、その姿勢でずっとやってきた」
と答えたそうです。
労働搾取や人身売買の現場では、反対する人から恐喝されたり暴行されるなどの危険性もあるでしょう。けれども彼女は、どんな人でも「対話することで解決できる」という確信を持っているのです。
先日のnoteで、「鬼滅の刃」の柱が、私たちが支援するアジア太平洋の社会起業家「IMPACT HERO」に重なるという記事を投稿しました。
「鬼滅の刃」では人を食う鬼を倒す「鬼殺隊」という組織があり、「柱」と呼ばれるずば抜けた強さと精神力を持つ最高位の9名が、主人公の炭治郎をはじめ、下の階級の剣士たちをインスパイアしていきます。
IMPACT HEROも、ずば抜けた才能と、人の心を動かす力を持った逸材。まるで鬼滅の刃の「柱」のように社会課題という「鬼」に立ち向かい、その存在が人々の希望となり、支えとなります。その姿は、鬼(=社会課題)に苦しむ人々だけでなく、誰もの心に宿り、励まし続けます。
パティマもその「柱」の素質を持つ存在。
私は倒れ込んだ男の子に話しかけたところで、何も変わらないだろうと思っていました。対話を通じて何かを変えることを諦めていた私の心に、火を灯してくれたのです。
そして、ファイナリスト発表の段階でここまで揺さぶられるなんて、実際に支援がスタートすると、もっとすごい感動が待っているんだろうなと、胸が高鳴りました。今まで1年に1人選出して徹底支援していたプログラムですが、2021年からはファイナリストもサポートできるようになるのです!
「結婚線」の意味から知った、人に尽くすという生き方
実はEarth Companyで働く前、アパレル企業で働いていた際に、同僚の誘いで、初めて手相占いに行ったことがありました。そこはとても当たると言われる、一見さんお断りの人気店。
カルテのようなものに、名前や生年月日を書き、恐る恐る手を差し出すと、占い師の方は、私の手をまじまじと眺めて、
「おお!結婚線が10本もある。」
と言いました。そしてこう続けました。
「...と言っても、10回結婚するということではありません。これは、あなたがコミットする人にいつ出会うかを示す線です。それも、異性や同性などは関係なく。つまり、あなたの10本の結婚線は、人生で尽くす人の数ですよ。」
その言葉は、今まで聞いたどんな占いよりも、すごくしっくりきました。「結婚」ということは、相手に寄り添い尽くすということかもしれないな。(ここで言う尽くすということは、奉仕することではなく、心を尽くすと解釈しています)そして「結婚」という形でなくても、寄り添い尽くす関係ってあるなぁ、と。
そして、その1年後、Earth Companyと出会いました。
私の結婚線は10本では足りない
Earth Companyに関わって、「この人に尽くしたいな」と思える素晴らしいチェンジメーカーに、たくさん出会ってきました。
彼らがいつも、私の心に火を灯し、支えてくれる。まるで鬼滅の刃の「柱」のように。
IMPACT HEROはもちろんですが、今回のファイナリストもそうです。そんな人たちと出会うたびに、時々自分の手の結婚線を眺めながら、「私の結婚線は10本じゃ足りないな」と思うのです。
2020年は、コロナ禍でEarth Companyもバリ島の収益事業が大打撃を受けましたが、本当にたくさんの方に支えていただき、支援の輪を広げることができました。
でも、コロナによる経済的影響や、それによる格差の広がりは、そのスピードをはるかに超えています。環境問題についても、今どこで何が起こっているのか、つながっていないと、見えない変化がたくさんあります。そう、社会課題という鬼は、見えないところ、闇夜の中で増え続けているのです。
そして、一見完璧にみえる「柱」(=IMPACT HERO)も、一人では社会課題の根源を断つことはできません。一緒に戦う仲間や、守るべき人、師の存在、傷を癒してくれる人...つながりが多ければ多いほど、彼らは強くなれます。
鬼滅の刃の空前の大ヒットは、コロナ禍の社会背景も大きく影響していると感じています。
IMPACT HEROの存在も同様に、きっと皆さんの心を励まし、支えてくれるはず。そんな彼らとつながることで、未来を一緒に創りませんか?
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