栄養価コンテスト結果発表!
オーガニックエコフェスタで毎年行われる「栄養価コンテスト」
2020年度秋冬のコンテストへ今年も黒枝豆を出品!
このようなコンテストへの賛否はあるが、
ものづくりの指標を数値で見ることや、優秀な生産者さん達の栽培方法とその結果についての学習になり、また、お祭りとしての楽しみとしても意義があると考え参加しています。
結果の前に・・・
そもそも、栄養価コンテストとは何?
はじめに、このチャートの説明をしたいと思います。
出典:一般社団法人 日本有機農業普及協会
まずは、このレーザーチャートの見方の説明する必要があるでしょう。緑色がその野菜の平均値。赤色が検体の値。この緑の平均値は検査機関である株式会社メディカル青果物研究所(デリカグループ)さんの元へ集められた野菜のデータを元にしています。よって、良い野菜が集まれば、集まるほど平均値は自然と高くなることになります。
出典:一般社団法人 日本有機農業普及協会
検査項目は、
①糖度
②抗酸化力
③ビタミンC
④硝酸イオン
⑤食味
の5つ項目です。
硝酸イオンは味としてはえぐみや苦みとなります。
抗酸化力は、酸素呼吸を行う生物にとっては、避けては通れない活性酸素を除去してくれる成分です。呼吸をすることによって、または、さまざまなストレスを受けることによって、細胞内に発生する活性酸素は、わたしたちの体の細胞を酸化し、老化していってしまいます。活性酸素で遺伝子が傷ついた場合はガンの原因にもなります。抗酸化物質は、その老化の原因である活性酸素を除去できる成分です。
わたしたちが野菜を食べる理由、それは「わたしたちの心身の健康のため」とはわかっていまはいますが、では、野菜を食べると具体的に体はどう健康になるなっていくのか?について答えることができる人は少ないと思います。野菜に含まれるビタミンやミネラルなどが、私たちの体の中で毎日発生し細胞を老化させている活性酸素を除去し、細胞を健全な状態に保ってくれている。「野菜を食べないと老化する。野菜を食べると若返る。」というと言い過ぎかもしれませんが、逆に実際に実感されている方も多いのではないでしょうか?
栄養価コンテストでは、DPPH法にて抗酸化力を調べてします。この方法は、人工的につくった活性酸素に、野菜をしぼった汁をかけて、人工の活性酸素が除去される時間を調べて、抗酸化力を計測しています。黒紫の試薬が透明になるまでの時間を測って、抗酸化力を換算しています。
出典:一般社団法人 日本有機農業普及協会
栄養価コンテストでわかってきたこと。それは、傾向として、硝酸イオンが多い野菜は、糖度もビタミンCも抗酸化力も低くなる傾向があるようです。
出典:一般社団法人 日本有機農業普及協会
逆に、硝酸イオンが少なくなると、糖度もビタミンCも抗酸化力も高くなる傾向があるようです。
窒素は植物にとっては細胞をつくるために必要不可欠な栄養成分ですが、空気中の窒素ガスは利用できません。土の中から根によって窒素を吸収するしかないのです。窒素にもいろいろ種類があり、硝酸は、その窒素の中でも、酸化された窒素で、化学肥料の成分でもあります。
野菜栽培に化学肥料を使わなければ、野菜内の硝酸イオンの値は下がると考えらえていましたが、実際にはそうでもないようです。化学肥料をまったく使用しない有機栽培においても、栽培方法によっては、硝酸イオンが多くなってしまうことがあり、結果として栄養価が低くなることもあるようです。また逆に、硝酸イオンをぐっと低く抑える栽培技術をもっている生産農家さんでは、糖度・ビタミンC・抗酸化力をぐっと高めた野菜を安定的につくることもできるようになってきています。
硝酸イオンを抑えることができる栽培技術を知っているかいないか?また、知っていても、実際に栄養価を高めるという結果に結びつけることができているかどうか?そこがこのコンテストの勝敗を左右しているようです。
日本有機農業普及協会は、栄養価コンテストの開催を通じて、栄養価コンテストを通じて集められたデータを基に、栄養価の高い作物を、安定的につくるための土つくり技術・栽培技術の開発を行っています。また、その技術の普及を通じて「野菜を食べる方の心身の健康」を支えていくことが、これからの農業者の使命と考え、農業技術者の育成を行っています。
出典:一般社団法人 日本有機農業普及協会
栄養価コンテストの結果を受けて
今回の黒枝豆はB品率が少なく、お客様からの美味しいという反響が今まで以上にありました。
が、数字はもっとシビアでした。。。
今回も多くの出品者の中からノミネートしていただいたが、そもそも納得のいく数字が出ていない事と、その結果、最優秀賞を逃してしまった事への反省があります。
課題は「土づくり」にあると考えているので、
ガーデンメンバーでしっかりと課題抽出と堆肥づくりの設計をしていこうと思います。
内容についてはまた別の機会に。