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物差し

生まれつき障がいを持っていると聞くと、「かわいそう」「つらそう」とネガティブな感想をもってしまう人もいると思います。
でも、絵本の中のあいちゃんは決して「かわいそう」な子ではありません。

**健やかに豊かに暮らす世界を作りたいと綴るブログ

その726日目。『物差し』**

私も、あいちゃんはかわいそうだ、
障害を持って生まれた人にそう思ってしまう。

どれだけ、頭で理解したつもりでも、
あれが出来る出来ない、これが出来る出来ない、という価値判断に
自分自身が陥るから、人に対してもそう思ってしまう。

でも、生きている命が、どれだけ楽しんでいるか?という物差しで見たら、
きっと私は、出来ていない、の方になる。
物差しの種類を変えるだけで、人の生き方は変わるし、
正直、物差し自体がいらなかったと気がつくんだろう。

えんそくで こうえんに いったときには
せんせいが いわなくても
あいちゃんが こわがる おかには、いけるところまで いって
みんなで ゆっくりおりて、そのあとは
あいちゃんもできる すべりだいで、あそんでくれたね

子どもたちは、感情にストレートで
ある意味残酷な時もたくさんあるけれど、
感じ取り判断することはもうしっかり出来るから、
こんな配慮を普通にこなしてくれる。

私の長男の悠斗はかなりひどいアトピーで、
卵はもちろん、牛乳も肉も青魚も野菜でも種類によって食べられなくて、
あれが食べられない、これが食べられないと、
給食当番のお母さんたちを悩ませました。
幼稚園の後で友達の家に遊びにいっても
専用のおやつを持たせていないと心配な子でした。

でも、そういうおやつが用意できないまま遊びに行かせてもらった日に、
友達の子が言ったらしい、
『悠斗が食べられないから、このおやつは別の日にしよう』
それを聞いていたお母さんが、その出来事と、
『この子が、他の子の食べられるものに気を回せる子になったのは、
悠斗のおかげ、ありがとうね』
と私に言ってくれて、
いつも迷惑をかけていることに申し訳なさでいっぱいだった私を
救ってくれました。

人は誰も完璧では生まれてこない。
見た目にわかりやすい、マークをつけている人もいるし、
心の中にマークをつけていたり、
人生の終わりかけくらいでそのマークが見えたり現れたり。
それはもう、千差万別。

その上で、どういう関係性を結んだり、
いろんなことをお互いに学びあったり出来るのか?で、
人生の彩りは変わる。

3月21日は世界ダウン症の日だったらしい。
イベントに振り回される必要はないけれど、
イベントをきっかけに、物差しが実はいらなかったことを再確認したり、
ちょっと優しい心を思い出させてくれる温かい存在に
感謝したり出来るかもしれない。

今日も読んでいただきありがとうございました。



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