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永遠に登山初心者でいたい私の富士山登頂日記

富士山に登頂してきた。
なお、下記は 2024 年 9 月時点の情報であるため、最新情報は公式サイトなどで確認して欲しい。


「弾丸 (日帰り?) 登山はやめましょう!」 と巷では叫ばれているようで、「富士登山は 1 泊 2 日が推奨」 などと言う情報も参照していたが、控えめに言って 1 泊 2 日だって充分 「弾丸登山」 と呼べる。

一般的には 1 泊のところ、私たちは 2 泊してきた。
理由としては、高山病のリスクを避けたかったからと、体力に自信がなかったから。

8 合目の宿は予約スタート時の競争に負けて取れなかったし、そもそも高山病のリスクが高くなるので最初から 7 合目に泊まろうと思っていた。
しかし、素人なので 7 合目で 2 泊予約してしまった。

登山開始 2 日前に、たまたま宿に問い合わせることがあって訊いてみたら、7 合目は下山ルートにないので、下手したら 「富士山 2 回登る」 みたいなことになる、と教えてもらった (本当にありがとうございます🙏🙏)。

急遽、2 日目に 7 合目から頂上目指してその日に下山するか、8 合目に宿を取って最初の計画と同じように 2 泊で行くか話し合った。
8 合目の宿は 3 人部屋しか空いてなかったからだ。
3 人部屋を 2 人で割ると、1 人 17,000 円。

いつも高級宿には泊まらない旅行をしている私たちからすると、ドミトリー的なところに 17,000 円はまずありえない選択肢だったが、富士山という極限状態では、「荷物も預けられて、2 泊できるなら……」 ということで、あまり悩まずに 2 泊で行くことにした。

そしてこれが大正解だった。


登山初日、家の最寄り駅から河口湖駅に向かい、そこから吉田ルートのスバルライン 5 合目までのバスに乗った。
ちなみに 1 泊 2 日の人なら往復券 (往復 2,800 円かな?) が使えるが、2 泊する人は使えないので、片道ずつ 1,780 円払うしかない。

大体 45 分くらいで 5 合目に到着。
ちなみに販売されているペットボトルの水 (500ml) やらトイレ チップやらの価格を記載すると、下記だ。

高度別 水・トイレ チップの価格

  • 河口湖駅 (水: 自販機なら 110 円・トイレ 無料・ゴミ箱あり)

  • 吉田ルート 5 合目 (水: 自販機 250 円・トイレ 100 円・ゴミ箱なし。ペットボトルも捨てられない) これ以降はもちろんゴミ箱なし

  • 6 合目 (下山の人専用の水: 600 円・トイレ 300 円)

  • 7 合目 (水: 500 円・トイレ 200 円)

  • 8 合目 (水: 500 円・トイレ 200 円)

  • 山頂 (水: 1,000 円・トイレ 多分 300 円)

7・8 合目は、宿泊客ならトイレは 100 円でよかった。他のところもそうだと思う。水やトイレは同じ値段だったが、コーヒーやスープなどは 8 合目の場合、7 合目の 100 円増しという感じだった。


5 合目で山菜そばを食べ (まったく期待していなかったけれど、かなりおいしかった😄)、「やまどうぐレンタル屋」 さんでストックを借りた (事前予約必須)。
悩んだけれど、直前で借りることにしたのだ。

これも借りて大正解だった。

高山病回避のため 5 合目で 2 時間くらいいたら雨が降ってきたのでレインウェアを着て通行料 2,000 円を払って出発した。


富士山はなんというか、10 分単位で必要な装備が目まぐるしく変る。
最初は雨が降っていたし風もあったので、上下のレインウェアとレインカバーをかけていたが、途中から雨も止み暑くなってきたのでレインウェア・レインカバーを外した。

軍手 (手袋) は 6 合目くらいからずっと着けていた。
100 均で買った、親・人差し・中指が第一関節まで出ている & 滑り止め付きものを使ったが、便利でよかった。

結構すぐに息が上がるし、ものすごいスピードで水を飲んでいったけれど、宿までは 300m くらいしか登らないので、1L 強持って行ったけれど 500ml は残った。

2 時間くらいで着くだろうと思っていたのだけれど、3 時間かかった。13:30 くらいに出発して、着いたのは 16:30 くらいだったのだ。
雨が降っていなくて助かったけれど、霧が濃いときが結構あったので、視界も悪く、水が髪の毛からしたたり落ちるときもあった。

フリースも一応着ていたけれど、私は暑がりなのでザックの中でもよかったかもしれない……。ノースリーブのフリースを検討したい。

ちなみに登山に結構役立っているのが、無印のパーカーである。

手の甲もカバーできるので、日焼け対策もバッチリだ。下着はファイントラックがみんなイチオシっぽかったので、素直にファイントラックを購入したがなるほどとても快適になった。

↑ 2 枚買って、タイにも着ていったけれど洗ってすぐ乾くので本当におすすめ。汗でぺとつくのが嫌いな人には特におすすめ。

T シャツはユニクロ (7 合目まで・下山用) のものと SALOMON (登頂用) のものとを用意したが、やはり SALOMON の方が軽くて断然乾きやすかったように思う。

ついでに SALOMON のソフトフラスクも買ったのだが、これまた良かった!

↑ 凍らせていいなんてどこにも書いていないらしいが、凍らせている人をネットで見たのでマネしてみた。
夏の暑さにもこれに水を入れて凍らせたものを 1 本持っておけば、保冷剤 (首や顔を冷やす) にもなるし冷たい水が飲めるしで一石二鳥だ。

先日も真夏日にバスを 20 分間待ったが、これがあったから熱中症にならずに済んだ。

7 合目の宿近くでまさかの溶岩石の階段 (高低差激しい) を登ることになり、ゼイゼイ言いながら登ったが、無事に宿にたどり着いたので夕食まで寝た。

なお、お風呂に入れないのでアルコール除菌シートとフロス & 歯磨きティッシュで歯磨き。

↑ 旅行時も切ってから持って行くとかさばらない。

↑ 4 枚ほど持って行って気持ち悪いときは拭いていた。


水は宿で買おうと思っていたら朝食に 1 本付いてきたので、ありがたくそれを追加して 2 日目に持って行った。


7 合目からのご来光


歩数としては 1 万歩ちょいだったが、本当に疲れた。
持ち物は大抵、「富士山 登山 持ち物」 などで検索して出てくる情報が正しいのでそれらを見ればバッチリだ。

しかし、本当に登山靴は買わなくてもいいけど借りてでも調達するべきだと思う。
スニーカーで来てソールが剥がれてガムテープで修復を試みるもサンダルみたいになっていた人を数人見かけた。

スニーカーで来たとしても、そのスニーカーはダメになるならまた靴を買わなければいけなくなる。
ヒラキ? で 190 円のデッキシューズを見たことはあるが、大抵みんな靴を買うときは最低でも数千円出すだろう。

だからどうせ 3 ~ 4,000 円払うなら、登山靴をレンタルすれば自分の靴は無傷でいられるではないか。
しかし、縄文杉のときに私はレンタルの登山靴選びを失敗して足の親指の爪が 2 年ほど死んでいたので、手放しでおすすめできるわけではないのだけれど。

私たちが登下山するときはほとんど雨にならなかったのでよかったのだけれど、登頂 → 8 合目まで下山して宿に入った後に大雨だったようで、宿泊客がずぶ濡れで入ってきた。
あんな状態でスニーカーだったら滑って危ないだろう。
視界もすごく悪くて不安だったので、やはり登山靴は命を守るために必要だと思った。


個人的に 「持ってきてよかった!」 と思ったアイテムは下記。

重いしかさばるしまったく登山用品でも何でもないのだけれど、持って行って本当によかった。
肩が凝ったり背中が凝ったりするのは目に見えていたし、富士山でマッサージなんて行けるわけがない。
だからセルフ (しかも寝っ転がるだけ) マッサージで回復しておかないと、疲労がどんどん溜まってしまう、ということで出がけに迷った挙句持っていくことにしたのだ。


まさか私がこれを使う日が来るとは……!! と思っていたのだが、どうしても日焼けできない理由 (大した理由ではない) ができてしまい、急遽ハンズで買ってきたのである。
日差しはたまにしかささなかったがキツかったし、意外と風よけにもなる上に呼吸がしやすくて耳も痛くなりにくいのでよかった。


聴覚過敏の私が愛用するシリコン耳栓。
山小屋はドミトリー的な感じなので、眠りが妨げられる場合がある。
そんなときでもこれがあればまったく気にせずにグーグー寝られる。


「いらない」 派と 「あってよかった」 派に分かれるようだが、私は後者だった。
吉田ルートの下山道は砂と砂利で、ミッドカットの靴を履いてロングパンツをはいていてもすぐに石ころが靴に入ってきた (登りはそこまで問題なし)。
これをはいてから下山したら、まったく入らなくて快適だった。

なお、下山中私は 3 回転んだが、3 回ともゲイターを付けていたのでその際に石が入ることもなかった。
登山靴の脱ぎ履きめんどくさくて嫌いなので。
2 回はストックを突いていない頂上 ~ 8 合目で転んだ。
1 回はストックを突いていたのに転んだ。「あれ、虹に見える……👀」 と気を取られていたらこの体たらく。結構盛大に転んだ。
今、謎のアザが腕にあるのだが、その時に打ったのだろうか。


富士登山の必需品は天候によっても大きく左右されるし、「できれば持っていった方がいいもの」 も、あった方が便利かもしれない。
しかしやはり、登山では 「軽いことは正義」 だと痛感した。

ヘタに 2 泊にしたせいで、余計な衣類が出てしまったし、私は家から軽いスリッポンを履いて出かけたので、それも荷物になっていた。
なんとか 7 合目から 8 合目の宿にたどり着き、荷物を預かってもらってから登頂したが、断然負担が違った。
全部背負っていたら登頂できていたか怪しいし、宿までの下山だってしたくない。

個人的に 「なくても良かったかも……」 と思ったのは下記。
ただ、めちゃくちゃ寒い日とかはまた話が変ってくるのでメモ程度に読んでいただけるとありがたい。


ご来光を山頂で見ない (深夜登山をしない) 場合、下記は不要?

  • カイロ

  • ダウン

  • ストール

カイロは山小屋で売っていた (1 枚 200 円が相場)。ダウンやストールはフリースとレインウェア (上)、タオルなどで代用可能と思う。

エマージェンシー シートやヘッドライトは持っておいた方がいいと思うが、吉田ルートならテーピング用テープとか包帯とかはなくても良かったかもなぁと。グループで 1 つだけにするとか。


7 合目から 頂上 → 8 合目までも 1 万歩ちょい。8 合目から 5 合目までは 17,000 歩だった。

ちなみに今まで下記の山に行ったが、いちばん好きなのは上高地。登山なんてほとんどしなかったが、素晴らしく良いところでまた行きたい! と思ったのでまた行く。

  • 上高地

  • 大山

  • 大野山

  • 高尾山

登山活動として好きなのは大野山 (大山ではない)。
電車降りてすぐ登山口だし、人いないし、富士山ずーっと見えるし (トップ画像は大野山からの富士山)、下山道の山北駅近くには美味しいお豆腐屋さんがあるし、おいしそうな飲食店も豊富にある。

ただ、下山道がかなりキツかったので 「次はピストン」 にしようかな……😑😑 と思っていたくらい。
今回、ストックの便利さが分ったので買ってみようかなぁと思っているところ。
そうしたらまたお豆腐買いに行けるし😄😄


おお、今回ヤマップの登山保険に入ってみた。モンベルもよさそうだったけれど、「遭難者発見ネットワーク」 みたいなのが結構使えるかなと思って申し込んだのだ。
遭難しなかったため、利用価値はどの程度か判明しなかったけれども。


まぁとにかく疲れて、7 合目 → 頂上 → 5 合目まで下山を 1 日でするのはしんどいし、そうすると 8 合目まで登って 1 泊…… というコースになる。
この場合、高山病にかかるリスクが上がってしまうし、かかったら (基本) 自力で下山しろと言うではないか。
ここまで準備して宿も取って山梨に来たのに、下山せざるを得ない状況は確実に避けたかった。

というわけで必然的に

  1. 日目 → 5 合目 → 7 合目まで登山 & 宿泊

  2. 日目 → 7 合目 → 頂上 → 8 合目まで下山 & 宿泊

  3. 日目 → 8 合目 → 5 合目まで下山

というスケジュールになった。


聞いてはいたけれど、やはり富士山は登るよりも見るほうがよくて、「もう 1 回登ろう!」 などとは思えなかった。

ちなみにパートナーは体温調節もしないし水もほとんど飲まない (元々あまり飲まない) でいたら、おそらく脱水症を起こしていたと思われる。
頭痛がすると言っていて、気づいたら発熱もしていたので (本人気付かず) 調べたら脱水症 (6% の水分を失うと出る症状) に合致していたし、風邪でもなさそうだったのでこれだろうと思った。


水分を摂ると良くなるらしいとのことで、水とポカリを (買って) 飲むよう勧めたら数時間後には頭痛も消え熱も下がっていたので脱水症だったのだろうと思う。


私みたいに 「暑いと不快! 汗気持ち悪い! 喉乾いた!😬😬😵😵」 みたいなタイプだと脱ぎ着も多いし休憩も多いけれど、「知らないうちに体調不良」 にはなりづらい。
パートナーのように 「めんどくさいし水飲まなくても平気だし」 と、あまり構わないでいると大事に至る場合があるので、気をつけて欲しい。



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