蓬莱の玉の枝のような咸水角
咸水角。
こんな食べ物、長い間知らなかった。
「ハムスイコー」 と読むらしい。
どうやら兵庫・大阪界隈では有名な食べ物のようだ。
私のパートナーは神戸出身なのだが、以前に横浜中華街のオーダー式バイキングで、何やらよく分らないきつね色の小ぶりなレモンみたいなものを頼んでいた。
これが咸水角だった。
衣はもち米を含んでいるので、ふっくらとした揚げたてを食べると 「しゅなっ」 という音がしてシュリンクする。モチモチとゴマ団子のような食感。
衣はかなり甘かった。その中にしょっぱい五目の具が入っており、これが衣と相まってなかなかおいしい。
衣は店によって甘かったり甘くなかったりする。多分きつね色のものは、衣に砂糖が入っていてそれが焦げているのだ。
ほとんど白っぽいものは純粋にもち米なのか、甘くはない。
個人的には甘い方がおすすめ。
しかし、これがどうも関東ではマイナーな料理らしい。比較的中華料理好きの私も知らなかったし、(横浜) 中華街でも咸水角を扱っている店を探すのは難しい。
基本的に食べ放題は (一度にたくさん食べるのが好きではないため) ほとんど行かないのだが、なんとなく 「飲茶の食べ放題」 ってテンション上がる。
色んな点心を 1 つずつちょい食べしたい。
特に私は大根餅が好きなので、これは外せない (自分で作れば? というくらい簡単なメニューだが (^^;))。
大根餅を扱っている店は多いが、咸水角は少ない。確か以前は 「鵬天閣」 というところで食べていた気がするのだが、食べ放題レストランをやめて完全に焼き小龍包専門店になってしまったようだ。
実は、以前にもこんなことがあった。
タピオカ ドリンクは今でこそ大流行りも過ぎ、最寄り駅でも簡単に買えるようになった。しかし今から 15 年くらい前は、中華街に行かないと飲めないものだった。
名前も 「QQ ドリンク」 (歯ごたえがキュッキュ言うからという理由だったか) という名前で売られており、もっと量も少なく 200 ~ 300 円くらいだった。
ミルクティーかマンゴー ジュースに混ぜて販売されていた。
黒タピオカだけではなく、レインボー タピオカというのもあった。
私は 10 代の頃このドリンクにハマり、色んな店で買っては試し、一番おいしいお店を見つけようとしていた。
そこで念願叶って見つかったのが 「まるた小屋」 である。
甘さが絶妙で確か価格も安価で、文句のない QQ ドリンクだった。
理想のドリンクを見つけ、「やった!」 と思った。
まるた小屋はフカヒレ スープなどもおいしくて安く、驚きのソフト シェル クラブまで売っていたのだ (食べていない)。
そのうち県外に引っ越してしまいなかなか中華街に行けず、だいぶ経ってから久しぶりに行くことになった。
そこで 「まるた小屋で QQ ドリンク買うんだ~ (^^)」 と楽しみにしていたのである。
中華街に着いてひととおり店を見て、さぁそろそろまるた小屋だぞ! と見覚えのある道を進んでいったら衝撃を受けた。
占い屋になっている。
いやもう、全然つながりが分らなかった。
中華街で占い屋は分る。手相などもちょいちょい見かける。
昔はあまりなかったように思うから、最近流行っているんだろう。
確かになんか本場の人に言われた方が説得力増す気がするし。
が、
「まるた小屋 (QQ ドリンク& 料理が美味しい店)」 → 占い屋
は、分らない。
しかも外観も屋号もそのまま。
せめて屋号さえ変わっていれば、「あぁ、潰れたのか……」 と諦められたのに。
多分、今でも占い屋のまるた小屋は健在である。繁盛しているようで何よりだが、あの方向転換には大変驚かされたし、せっかく見つけだしたお気に入りの QQ ドリンクを失ってしまったことは遺憾であった。
こんな経緯で未だに Google Maps のまるた小屋には、食べ物を提供していた時代の写真が掲載されたままである。
鵬天閣は、元々メニューの焼き小龍包が評判だったらしく、それに特化した店に生まれ変わったという経緯はよく分る。
が、本当にまるた小屋は分らない。
ちょっと日本人からしたらビックリな感覚である。
そこが異文化の面白いところでもあるのだけれど。
ちなみに ↓ はハムスイコーの取り扱いがあった。
食べ放題はないが、単品をちょいちょい頼んでも結構安かった記憶がある。
ただしハムスイコーは甘くないタイプだった。
甘いハムスイコーはもしかしたら ↓ の冷凍食品なのではないかとも思うが、家で揚げ物をする予定はないので分らないでいる。
ちなみにハムスイコーは
五目揚げもち
もち米揚げ餃子
などと検索してもヒットする場合があるらしい。
最近、「別に日帰りで帰れるんだけど めんどくさいから みなとみらい周辺に泊まる」 という遊びをやっているので、しっかりハムスイコーについて調査しようと思った。
しかし 「これ!」 というのが見つからない。
蓬莱の玉の枝のように、名前と様子は分るが見つけられない。
時間だけが過ぎる。
甘くないハムスイコーが食べられる店は分っている。
でも甘いハムスイコーが食べたいのだ。
次見つけたらこちらに備忘録として書いておこう。
そしてどうかその店が占い屋に転向しませんように!
お読みくださりありがとうございました (^^)