D'ERLANGER『Rosy Moments 4D』レビュー
記念すべき10枚目のアルバム『Rosy Moments 4D』のレビューです。
当然素人のなんちゃってなので、それっぽくもなければ忌憚のない意見でしかありません。
同じくデランジェ好きは、アホな仲間の言っていることだと思っておおらかにみてください。
ちなみに、初回限定盤です。
全体的な構成は前作『roneve』を踏襲している
SEから始まる構成は前作とも、以前からとも同様です。
だからと言って「またか」とは思いません。
今回もSophiaの都氏が参加しています。
これは常連というか固定シフトというか、「安定の~」との文言がしっくりきます。
瀧川氏は都氏に投げて、それを都氏が受け取って形にするとインタビューで語っており、その様は「フィーリングカップルのようなもの」と評していました。
どれぐらい形にして伝えているのかまでは分かりませんが、瀧川氏は細かいオーダーを敢えてしないとのこと。
それで上がってくる音が満足のいく出来なので、言わなくても伝わる=フィーリングでOKなのでしょう。
OPは都氏と瀧川氏の合作として、ライブの画も浮かんできそうな、そんな静かながら荘厳さを感じる冷静と情熱のあいだが交錯する立ち上がりです。
リード曲「Bitter Sweet」でアガり、徐々に変化していく多彩な構成
先行して配信されたデジタルシングル「Bitter Sweet」がこのアルバムのリードになります。
デランジェ18番の、色気が存分に感じられる艶っぽいナンバーです。
その後の楽曲はミディアムながら骨太です。
ゆるやかな展開です。
SiXX以降にみられた空間的な広がりのあるシンセサイザー、ピアノをエッセンスとして、楽曲それ自体はとても落ち着いている印象です。
このアルバム全体に言えることですが、音数を敢えてなのかコンセプトとしてなのか抜いている印象です。
それでもベテランバンドらしい確実な技術で、かえってその技量を証明するかのような高い演奏力が楽しめます。
これはわたし個人の感想ですが、テクのあるバンドは変に音を重ねない方がいいように思います。
変化をしなくてはならないという、内外からの突き上げがあるものと思われますが、それはただの強迫観念ではないかと。
実験的なアプローチは良いことですが、もっとファンを信じて欲しいなと思います。
一例をあげると現在のム〇クです。
繰り返しになりますが個人の感想です。
話が逸れましたので元に戻しますと、全体的にライブ映えしそうな楽曲が多い印象です。
後半は前作「roneve」と同様、静かに愉しむ胸が熱くなるロック~静かに閉じていく
たまたまレビューをちらっと見てしまう機会があり、そこには「後半ダレる」との意見がありました。
言っていることはよく分かりますが、こればかりは当人の嗜好によるものが大きいようです。
わたしは前作roneveを50回転はしましたので、前作のような静かに閉じていく、余韻をこちらに持たせてくれるような構成は好感触です。
重ね重ねですが、楽曲単体で聴く方にはハマらないのかもしれませんし、わたしのようにアルバム一枚を通して聴くタイプの人間には良いように思います。
それでもちゃんと山場はあり、ガツっとくるようなメロの立った分かりやすい楽曲ではなく、デランジェらしい、音をひとつひとつ味わえる楽曲らでアルバムが暮れていきます。
最後の楽曲の「哀撫」で終わる構成は前作roneveとの類似も多い印象です。
ライブによってはアコースティックになるでしょう。
tetsu氏の力強いドラムとseela氏の野太い職人サウンド、kyo氏の色気のある歌声との相性も抜群だと思われます。
ここまでほぼ全肯定でしたが、あえて言わせていただければ、クロージングにもう1曲だけSE曲があると良かったかなと思います。
余談:初回盤と通常盤をどちらを買うべきか
通常盤を聴いていないのでなんともですが、恐らくはアルバムの完成度は通常盤が高く、1曲だけでも印象がだいぶ違うのではないかと思われます。
前作がそうだったので、今回もそうであろうと思われます。
わたしはDVD付きを買いまして、収録時間は51分です。
MVはなく、全てライブ音源です。
V系って知ってる?などのmaverick主催のイベントの映像など、古巣の映像が収録されるのは有難いですね。
maverick主催のあのイベントは中年にはハードルが高いので・・・。
ブックレットが歌詞カードとは別に付いています。
それは(個人的に)なくてもあっても、という感じです。
お車でよく聴くような方は通常盤、ご自宅で楽しむ方は限定盤でCDも映像とも、というのがよろしいかと存じます。
これは根拠のない希望というか戯言というか妄言ですが、通常盤は時間をおいてからサブスク解禁されるかと思われます。
御拝読ありがとうございました。
ここまで読んでくれた方はわたしと同じくデランジェ好きです。
いつかどこかでデランジェについて語り合える日を。
おつかれさまです。