Photo by hidekuma 芳一サーガ 耳なし芳一 2023年3月4日 16:11 ホチ神は、愚かさ故に苦しむ人類を憐れんで、神の国にある智慧の琴を盗み出し、人類に与えた。天の神は怒り、罰としてホチ神の耳を奪った。そのため智慧の琴の弦が切れても、誰も正しい音が出るように調律することが出来なかった。人類が時が経つにつれて愚かになっていった所以である。 #耳なし芳一— 耳なし芳一bot (@bot78741637) September 13, 2022 「アウ神が光を失い、ボト神は凍りつかれた。天の星々も動かぬ。どうすれば良いだろうか」「ホチ神ならば術を知っているかもしれない」神の使者が、嘗て耳を奪われて人間界に追放されたホチ神を探し出した。ホチ神は人間の妻と子を示して言った「私はもう神ではないのです。お帰り下さい」#耳なし芳一— 耳なし芳一bot (@bot78741637) July 5, 2022 耳なしのホチ神は弦の無い琴を抱いて、山を越え河を渡り、東を目指した。陸が尽きると海を渡り、島から島へと旅をして、ある小さな島で天に帰った。島民は 昇天の地に祠を建て「耳なし芳一様」の像を刻んで崇めた。耳がなくては可哀想だと、像には耳をつけた。#耳なし芳一 #140字小説— 耳なし芳一bot (@bot78741637) August 8, 2022 島の真ん中には、「耳なし芳一」の木像を祀った祠があった。「耳はあるじゃないか。何で耳なしなんだ」国の守が訊ねると島の長は言った。「芳一様の耳がなくなった時、島は海の底に沈む、と言われております」そりゃ面白い。今度この芳一とやらの耳を切り落として、島を沈めてくれよう。 #耳なし芳一— 耳なし芳一bot (@bot78741637) September 5, 2022 国の守は島で鷹狩りを行った。獲物はほとんど得られなかったが、守は上機嫌に見えた。そして「狩りがこんなにも不首尾だったのは、誰かが邪魔したからに違いない。この島には『ほういち』とかいう者の祠があったな。そのほういちとやらを祠から引き出して、耳を斬ってしまえ」#耳なし芳一— 耳なし芳一bot (@bot78741637) November 26, 2022 ダウンロード copy #小説 #140字小説 #神話 #伝説 #ツイッター小説 #耳なし芳一 #プロメテウス #丹後国風土記 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート