見出し画像

せいとおかげは紙一重

お読みいただきありがとうございます。E AND I CREATIONSの遠藤です。
日本語教師の勉強をしていまして、日本語についてよく考えます。

せいvs おかげ

〇〇のせい(所為)は「〇〇が原因で悪い結果になった」
〇〇のおかげ(おかげ)は「〇〇の助けがあったので、・・という結果になった」
そうなったわけやそう思ったわけを言いたいときに使う言葉です。

せい×おかげは真逆の意味を持つ言葉です。

〇〇のせいで、優勝しました??
〇〇のおかげで、事故に合いました??
両方誤用ですが、違和感しか湧きませんよね。

〇〇のせい=ネガティブな結果
〇〇のおかげ=ポジティブな結果
にしか使うことができません。どちらの結果かは、状況や気持ちによるので、日本語学習者に指導するときは、明らかにネガティブかポジティブか、という例文を考えます。

 〇〇のせいにしてはいけない←そんなことない!

せいは自分が被った被害を訴える大事な日本語です。
「電車が遅れたせいで、遅刻しました」
「騒音のせいで、よく眠れませんでした」
「財布を落としたせいで、バイトに行けませんでした」
よくない結果になったのは「〇〇のせい」とちゃんと説明できます。

しかし!!人に使うと悪口や愚痴になってしまうのが難点です。
「お前のせいだ」「お母さんのせい」「気の利かない上司のせいで」
「人のせい」無限大です。

一番厄介なのは「自分のせい」です。
違うのに・・・どして・・・と自分も周りも辛いです。

おかげ・・・は魔法の言葉

そこで真逆の意味を持つ魔法の言葉「おかげ」に変換してみましょう。

 「お前のおかげだ」「お母さんのおかげだ」「気の利かない上司のおかげだ」(ちょっと嫌味に聞こえるかも)

なんだか急に平和な空気が流れてきませんか?

とんでもないことに巻き込まれたり、悔しい思いをしたら誰だって人のせいにしたくなります。心の中で「〇〇のせいだー(ふう)・・・・〇〇のおかげだ」と使ってみてください。ほんの少しだけ心が楽になります。 

そして違和感たっぷりかもですが

自分のおかげ

使ってみちゃってください。ちょっと気分良くなりますよ。
おかげ(お陰)を辞典で引いてみると・・

①神仏のたすけ、加護
②人からうけた力添えやめぐみ、また、利益
③皮肉

日本国語大辞典

まあ③は置いといて、基本は感謝や恩恵を有り難む言葉です。

せいもおかげも【それがもたらした結果、しわざ】であって、結果が困ったことをいうときか、恩恵を受けたときにいう言葉かの違いです。

つまり、紙一重、表裏一体、反対語だからこそ
せい→おかげにするだけで気分変わる魔法の言葉になるかもしれません。

せっかくなんで気分良く暮らしましょうよ!

あなたのおかげです!スキおねがいします


いいなと思ったら応援しよう!