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【試合評】球団初の快投劇。流れを運んだ攻守のビッグプレー~3/26○楽天8-2日本ハム

涌井秀章、7回無失点

「まるで昨年のVTRを見ているかのような落ち着いた立ち上がりでした」。

そのように表現したのは、実況の中田浩光アナだった。

現役最多の通算10度目の大役を任された昨年の最多勝右腕が、完璧な立ち上がり。

初回はとくにコマンド抜群で、ほぼ投げミスがない。
唯一の逆球は横浜高校の後輩・近藤への1球だけ。

2回は中田、渡邉、大田と長打を秘めた右打者を危なげなく三者凡退に退けた。

とくに敵軍主砲との3球勝負は間違いがなく、全球アウトローを攻めての三ゴに打ち取った。大田には2-0とボール先行したが、ストレートに偽装した絶品シンカーが効果を発揮した。北の大地で花開いた移籍5年目をまんまと騙し、連続ファウルを打たせて2-2に戻すと、最後はスライダーで派手に泳がせてみせた。

味方の好守支援で3回の危機をゼロにしのぐと、4回は1死後、浅村が落球エラー(今日は風が強かった)。しかし、涌井は落ち着いていた。後続・渡邉を青写真どおりの5-4-3の併殺網に切り、文字どおり要所を締める快投になった。

最大のピンチは5回に到来。2点リードの1死後、2四球1安打が絡んで1死3,2塁~2死満塁。一打同点の場面を作られた。

しかし、逆に力んで自身のパフォーマンスを見失ったのは敵軍打者で、先日夫人との間に新たな命を授かったクールなベテランは、常に冷静な佇まい。経験のなせる業か、本戦は終始緊張を余儀なくされたのは日本ハム側で、マウンド上の17年目右腕は、いたって通常営業だった。

終わってみれば、116球を投げて7回無失点である。

イーグルスの開幕投手が7回以上を投げてゼロに抑えたのは、岩隈久志も田中将大も則本昂大も成し遂げられなかった球団初の快挙になっている。

◎楽天歴代開幕投手の投手成績

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魔法にかけた絶妙コンビネーション

改めて球種別の結果を確認してみよう。

昨年平均143.8キロで球威も球速も復活したストレートは、本戦最速144キロ。スピードは腹八分だったが、コントロールが良く長打を許さない。

変化球はスライダーとシンカーを各30球近く。このコンビネーションが素晴らしく・・・(続く)

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