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あの夜から一年、人生で1番忘れない日。
11月22日それは僕達が出会って
「僕と付き合って欲しい」
と告白して付き合った日付。
そして、付き合って初めて彼女が
「別れよう」
と言った日付。
一年前の今日、いつもの様に彼女の勤務先から彼女の家に送っていく車の中で、助手席でどこかもぞもぞしていいにくそうに彼女が口を開いた。
「私、まーくんと別れようと思っている」
「私は好きな人とは家族になりたいけど、まーくんは違うんだと思う」
「30歳までに子供3人作るのが夢だった」
ずっと、ずっと言おうと思っていたけど言いにくかったんだろう。
前にも書いたのだけど、あの時の彼女の寂しそう表情と決意を固めた表情は今でも忘れられない。
それまで喧嘩すると、僕から
「もう別れよう」
と言っても怒るけど彼女は絶対に別れようとは言わなかった。
彼女から「別れよう」
と言われたのは最初で最後だった。
その時の彼女の言葉には本気があったし、どことなく彼女の変化には気づいていた僕の頭の中は真っ白になった。
恋人が別れる事はなんら珍しいことでは無い。
だけど僕には彼女はもう生活の全てだった。
僕が思っている以上に彼女は辛く悲しい日々を送っていたのだと思う。
中には楽しくて幸せを感じてくれた日もあっただろうけど、、
9年も一緒にいてくれたのだから、、
何度も別れようと思ったと思うし、そこには大きな葛藤があったと思う。
男性の30歳と女性の30歳では重みが違うことそんな事知っている。
後付けや今更の言い訳にも聞こえるかもしれないけど、僕は本当に将来の事を考えていた。
いい意味で彼女と一緒にいると、カッコつけなくても良かったし、話をしなくてもそばにいるだけで安心していた、僕だけが思っている事かもしれないけど、心が通じ合っていた、本当に今まで感じたことのない心地よさがそこにはあった。
そこに僕は甘えていた。
目の前にやらなければならない事は沢山あった、日々の安心、彼女は僕の事が好きでずっとそばにいると勝手に思っていたんだ。
彼女が大切だからこそ言わなきゃいけない事もあると思うけど、僕にはだからこそ中々踏み込めなかった。
一度失敗している事もあったけど、100%彼女を幸せに出来ると自分に自信がなかった。
けれど、そんな事は彼女には関係なかった。好きな人と一緒にいるのに理由なんて必要なかったんだ。
僕は大好きな彼女と一緒に過ごす為には、経済力も必要だと思っていたけど、そんな事2人で何とかなったと思うし、自分で言うことでは無いけど、僕はそれなりに経済力はある方だった。
それ以上に僕と結婚してくれるんだったら彼女にはいい生活と今まで頑張っているのを知っていたから好きな事をして欲しいと願う様になり、本当に大切な事を忘れてしまっていた。
いつもは何とかなるさで生きてきて、そんな所も彼女にとったら頼り甲斐があって好きになってくれた理由だと思ってる。
そんな僕が何とかなるさでは彼女の人生を背負い込む事はできなかった。
それぐらい好きだったし、大切だった。
そんな状況でずるずると結婚適正年齢をすぎても進展のない関係に不安を覚え、僕に対して気持ちが離れてしまったんだと思う。
それに今まで許せていた僕の悪い所を彼女は許せなくなっていたんだと思う。
好きであれば多少の悪い所も許せていたんだろうけど、気持ちが離れて許せなくなってしまったんだと思ってる。
以前に書いたので詳しくは言わないけど、
僕達はこの後数ヶ月微妙な関係で過ごしていくのだが、その数ヶ月後には連絡先を拒否される事になって警察から注意を受ける事になり、僕は鬱になってしまう。
彼女に対して申し訳ない事をしたという罪の意識、
「子供3人作るのが夢」
という言葉が僕にのしかかってくる。
僕は彼女の夢を奪ってしまっていた、
時間は戻せない、、
彼女はもうその夢を実現する事は出来ない。
人の夢を笑う事、ましてや奪う事は人としてやってはいけない事だ。
叶うなら、時間を戻したい、だけどそんな事は出来ない。出来ないし、僕達は初めから結ばれる運命ではなかったのかも知れない。
生きてきて初めて
「死にたい」「生きていても仕方ない」
って思った。
それでも、僕を思い留めてくれたのは彼女と過ごした時間だった。
かけがえの無い宝物になってるし、ずっと心に残ってる。
彼女にも風化せず、僕の事が心のどこかにあればと願ってる。
彼女は記念日やクリスマス、誕生日、いわゆるイベントを大切にしてくれる人だった。そんな彼女に付き合った記念日にそんな事を言わせた事も自分が今でも許せない理由。
本当にそれまでの数年間は彼女にとって辛く、悲しく、寂しい日々だっただろうし、ずっと悩んでいたんだと思う。
今は会う事も話す事も出来ない、もちろん会おうと思えば家も知っているし、何なら仕事でたまに通るし、変わった職場も教えてもらっていたから知っている。
会いに行く事はないし、行けない。
別れてからはそれまで近くにいた彼女が、どこよりも遠く、辿り着く事ができない距離になっていた。
だから僕のその思いは別れてから彼女に第三者を通じて伝えてもらったけど、遠い場所にいる彼女の気持ちには届かなかった、というか気持ちがない人のそんな思い届くわけがないのだ。
何度も何度も、
「本当にごめん、寂しかったやろ、今はもう苦しんでない。僕にできる事はもう無いよね」
思い出しては心で謝罪した。
そんな彼女も新たな恋人と過ごしている事だろう、クリスマスが近いから楽しくあったかく過ごしてほしい。
これからも僕にとって彼女の誕生日と彼女と付き合った日、彼女と別れた日その日だけはこれからも笑顔の可愛くて、素敵な彼女の事を死ぬまで思い出すと思う。
辛くても、苦しくても、痛くても、忘れず思い出す。結婚して一緒になれなかったし、会う事も話す事も出来ないけど、人生で1番大切な人だから。
僕にはこの日は嬉しかった日であり悲しかった日でもある特別な日だから。
そんな特別な日だからこの文章を残したかった。
別れる時に僕は彼女に僕の思いが詰まった、企業する時に買ったネックレス、少し汚れていたけど持っていて欲しくて渡した。
今も持っていてくれてるだろうか、彼女ならきっと大切にしてくれてると思う。
僕の全てを彼女に預けた。
今日という日を彼女は忘れてしまっているかな❓
どこかで覚えてくれていると少し期待している自分がいる。
僕はこの日の事を一生忘れないよ。
君の人生と少しでも交れた事、君の事を知れた事、僕の宝物だから。
彼女には僕の分は要らないから、僕の分まで小さくてもいいけど溢れるぐらいの幸せが沢山降り注ぐ事を祈ってる。
それが今の僕にできる数少ない事だから、、、