失火責任法
アウトプットのためにノート作っていくことにしました。
広い範囲のもの作っても身にならないんで、個別的なところを作っていって、そこだけは問題でたら間違えない!
みたいな感じにしていこうと思います。
今回は失火責任法
問題としてはよく
消防職員に失火責任法は適用されるのか?
と言った感じで出題されます。
結論から言うと適用はされません
ではなぜそこが論点になったのか
そもそも失火責任法とは何か、そこから説明します。
失火責任法とは簡単に言うと
「自分家で火事を起こして隣の家まで燃やしちゃった時、わざと(重過失)じゃないなら隣の人にお金払わなくていいよ」
こういう法律です
民法的な考えでいうと、普通損害賠償の対象になりますよね?
そこを「火事の時だけは例外だよ」としたのが失火責任法です
なぜこんな法律ができたか
理由は簡単です。この法律は明治に作られたもので、その時代は木造の建物が密集してました。
火事がおきたら周りのほとんどの家が燃える時代です
そんなのお金がいくらあっても足りませんし、
わざと自分の家を燃やすやつなんかいないんだから可哀想だよねって話です
失火責任法について理解できましたか?
それでは問題としてよく使われる消防職員に失火責任法が適用されるのか
これは何を聞かれているかというと
前提の条件としては
消防職員が火災に行って火を消しました
帰る前に少しの燻りも残さないようしっかり鎮火して帰ります(これが大変)
帰ってせっせと書類作成をしていると…
ピー、ピー、火災出動指令
また同じ場所ーー、やっちゃったーー
みたいな感じです
消防職員がちゃんと火を消さなかったから、火事が起きましたよね?
これに対してその家の主は、消防職員に対して国家賠償請求できますか?という問題です
そして結論は最初に述べたように
失火責任法が消防職員に適用されるため、重過失がない限り国家賠償請求は認められません。
変ですよね?立法趣旨から考えても変です
国や自治体に支払い能力があるのに請求できないって可哀想すぎない?
実際この時の判例を読んだんですが、ある裁判官は
消防職員はプロなんだから一般の人の過失と消防職員の過失とじゃ話が違うとか、失火責任法って消防職員に適応するのおかしいでしょ
今回は消防職員悪くないからまぁいいけど
みたいな感じでした
平成29年には国会で失火責任法の改定についても話し合われてます
耐火構造の技術もあがって失火による延焼は減っているし、支払い能力ある人にも請求できないなんて被害者救済を法的に行う手段がない
保険でしか自分の身を守れないなんて、法律への信頼が失われるぞ
みたいな事を主張されていました
というようにおかしな失火責任法のせいで
消防職員が火災をしっかり消しきらずに帰って、2度目の火事が起きても、
消防職員に重大な過失(ほぼわざと)がない限り被害者の国家賠償請求は認められない
可哀想すぎ!
ということになります
正直これだけ覚えておけばいいです
その他の部分は覚える必要も無いしただの余談です笑
以上です。
長すぎたかな?