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あ行の詩「悲しみ魂子(たまこ)」

ああああ 
お日様の明るい光
胸も喉も開く
まぶしすぎて
苦しかったから
おおおおお 日陰の土にまぶした
お腹にしまわれた玉を
そうして
う うううううの声で
引き上げる
わたしの青い玉
ええええええ
川の水に流れていく

頭が魚の女の神様
川の中から現れて
青い玉をひろいあげた
両の手で
そっと
龍の背中に乗せて
クネクネと水しぶきを浴びながら
空へ
宙(そら)へ
飛ばしましょう

わたしは悲しみ魂子(たまこ)
宇宙に浮かぶ青い玉
言葉の波線を伝って
色とりどりの悲しみにつながっていく
さびしくないの?
いいえ さびしくない
世界中の悲しみの声に濡れて
ようやく
ああああああ
光にゆだねることができるから
お日様が生まれるところへ
声をかえしていく
いくつも いくつも
みんなの喉が明るむまで


あ行の声のワークショップからこんな詩が生まれました。
それまで、「あ」の声が苦しかったけれど、今は楽になりました。
悲しみ魂子のおかげで。



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