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折れた骨ばかり見ていた ♯休職記1

子どもに関わる仕事をしていた。
10人いれば10通りの人生を側で見ていられる。天職だと思った。楽しくてがむしゃらに働いた。
だからまさか、私が心の病になんてなると思わなかった。
明るい、強い、豪快な人だと思い込んでいた。

春先、足を骨折した。
なんてなくコケただけ。
でも、何だか不思議にケガをする気がしていた。

若い女医さんは
「まだ40代だからすぐに骨もくっつきますよ」
ギブスを巻き直しながらアッサリ言った。
動きにくいけど仕方ないな。
仕事を休むなんて考えなかった。
ギブスをして仕事に行った。

一ヶ月
「順調ですよ。念の為あと半月ギブスしときましょう。」
一ヶ月半
「ギブス外しますね。今日からリハビリ頑張ってくださいね。」
 
ギブスがとれた足は一回り細くなり、おばあさんになっていた。
リハビリがんばろう。
と思って久しぶりに足の裏に地面をつけた。
ずんっと
それまで感じたことのない、重い鈍い痛みが響いてきた。