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オラクル社のチャールズ・ムーアマン取締役、947,913ドルの株式を購入

オラクル(NYSE:ORCL)の株式購入と最新ニュースの解説

オラクル・コーポレーション(NYSE:ORCL)に関する最新の動向を詳しく解説します。最近のSEC提出書類や市場の発表を基に、同社の株式取得動向、データセンター事業、クラウドの拡大計画、提携関係などを総合的に分析します。


1. 取締役チャールズ・W・ムーアマン氏による大規模な株式購入

(1) 取引の概要

  • 2024年2月12日、オラクルの取締役チャールズ・W・ムーアマン氏が5,500株を購入

  • 取得単価:1株あたり平均価格172.35ドル

  • 取引総額:約94万7913ドル

  • ムーアマン氏の保有株:

    • 間接保有(家族信託経由):52,954株

    • 直接保有:35,589株

(2) 株式取得の背景

  • オラクルの株価は過去1年間で54%上昇しており、強いパフォーマンスを示している。

  • PER(株価収益率)は41.2倍と比較的高いバリュエーションで取引されている。

  • 17年連続で配当を支払い、株主還元の意識が高い。

  • InvestingProの分析では株価がフェアバリューを上回っていると指摘されているが、取締役の積極的な買い増しは、企業の成長ポテンシャルへの自信を示唆している。

この株式購入は、内部者(インサイダー)の強気な姿勢を示すものとして、市場の注目を集めています。


2. データセンター事業の拡大

(1) OpenAI、ソフトバンク、オラクルのテキサス州データセンター計画

  • テキサス州に新たなデータセンター・キャンパスを設置予定

  • 目的:AIインフラの強化

  • 全米13州で他の候補地も検討中

  • OpenAIとの関係が強化され、オラクルのクラウド事業への追い風となる可能性が高い。

(2) Google Cloudとの協力によるクラウド拡張

  • 今後12ヶ月以内に8つの地域で新規クラウドデータセンターを追加

  • データベースの弾力性と柔軟性を強化

  • 企業向けクラウド市場での競争力を強化し、AWSやAzureと並ぶクラウドプロバイダーとしての地位を確立

このクラウド拡大の動きは、オラクルがGoogleと協力しながら、クラウド市場のさらなる成長を狙っていることを示しています。


3. TikTok売却問題とオラクルの影響

  • ByteDanceのTikTok売却は、中国政府の承認待ちで保留中

  • トランプ政権との交渉戦略の一環とされる

  • オラクルは、TikTokの米国ユーザーデータの管理を担当している

  • 今後の米中関係の影響を受けやすい事業の1つ

TikTokのデータ管理は、オラクルのクラウド事業にとって戦略的に重要であり、この売却問題の進展は同社の収益にも影響を与える可能性があります。


4. ソフトバンクとOpenAIの提携

  • ソフトバンクとOpenAIが「SB OpenAI Japan」を設立

  • 法人向けにAIサービスを提供

  • ソフトバンクはOpenAIに最大250億ドルの投資を提案

  • オラクルのデータセンター計画とも連動する可能性が高い

この提携は、日本市場でのAI普及を加速させるとともに、オラクルのクラウドビジネスの拡大にも寄与する可能性があります。


5. ServiceNowとのデータ統合アップグレード

  • ServiceNow(NYSE:NOW)とオラクルがデータ統合を発表

  • リアルタイムでデータソースを接続

  • 企業の業務効率化とインテリジェントな意思決定を支援

  • 2025年後半に一部の顧客に提供開始予定

ServiceNowとの提携は、オラクルのデータベース技術と、ServiceNowの業務管理プラットフォームの統合を促進し、企業向けのクラウド市場での競争力を高める動きと言えます。


6. オラクルの成長戦略と投資家への影響

(1) 投資家にとってのポイント

クラウド市場での拡大

  • GoogleやOpenAIとの提携により、AI関連クラウドサービスの強化が期待される。

  • データセンターの拡大がクラウド事業の成長を促進。

TikTok売却問題の影響

  • TikTokのデータ管理を担うオラクルの役割が変化する可能性あり。

  • 中国との交渉次第で影響を受けるリスクがある。

バリュエーションの高さ

  • PERが41.2倍と割高な水準で取引されており、今後の収益成長が重要なカギ。

インサイダーによる株式取得

  • 取締役が株式を大幅に購入したことは、同社の将来性への信頼を示すポジティブなサイン。


7. まとめ

📌 オラクル(NYSE:ORCL)は以下の要因で株価が注目される

  1. 取締役の大規模な株式購入(ムーアマン氏が約95万ドル分の株式取得)

  2. データセンターの拡大計画(OpenAI・Googleとの提携)

  3. TikTokの米国データ管理の影響(中国との交渉次第)

  4. ソフトバンクとのAI提携(日本市場での事業拡大)

  5. ServiceNowとのデータ統合強化(企業向けクラウドサービスの進化)

オラクルは、クラウド市場での競争力強化、AIインフラの拡充、TikTok問題への対応といった要因により、今後も注目すべき銘柄です。投資家は、株価が割高な水準で取引されている点に留意しつつ、クラウド成長戦略の進展を見極めることが重要となるでしょう。

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