ご縁のある施工会社さんから…
東京の〈TH-1〉という施工会社さんから、会社案内をいただきました。創業15年を記念して作られた冊子で、その中にはゆかりのある建築家からのメッセージが寄せられています。
施工への想いを語るのは、原広司氏、原田真宏氏・麻魚氏、藤原徹平氏、そして、弊社代表の遠藤克彦の5名。
原広司氏は、遠藤が東京大学大学院の建築学修士課程在籍時に、指導を仰いだ恩師でもあります。その頃ちょうど、原先生の事務所〈原広司+アトリエ・ファイ建築研究所〉では「梅田スカイビル(1993年竣工)」を設計中でした。やがて大阪のランドマークとなるビルの、あの空中庭園展望台が現れる瞬間を間近で目撃した青年が、今「大阪中之島美術館」の設計者として大阪にいる運命の不思議。
遠藤の写真は大阪オフィスにて撮影。(今よりちょっとふっくらしているような…)
〈TH-1〉代表取締役・朝倉幸子さんと遠藤は20年来のお付き合いです。明るく、チャーミングなお人柄で、業界にファン多数! そして、チームの結束を生む母のような存在でもあります。
現場のスナップショットがコラージュされたページからは、施工の精緻な仕事があって作品が生み出されていく、そのリアルな“物語”を感じます。
〈TH-1〉の建物は、朝倉さんのご主人・則幸さん(故人)が設計し、第11回吉岡賞を受賞した作品。東京ドームの天井と同じテント素材が屋根となっている「膜屋根」の家なのです。
当時、屋根と言えば瓦かスレート屋根しか思い浮かばなかった私は、初めて訪問した時カルチャーショックを受けました。そして、屋根から降り注ぐ光はやわらかく穏やかで、まるでコクーンの中にいるよう。1日の時間の移ろいを優しく伝えるその素材に、しばし見とれていたのを思い出します。
ちなみに、2019年12月に竣工した弊社「系(つなぐ)の家」の施工も〈TH-1〉さん。この作品につきましては、またの機会に詳しくお伝えしたいと思います。(広報・A)