盲目の美女

盲目の音をださんとする琴をあやつり
歌を歌ってみようか?突如めくらの
美女が積極的であって琴をひくことに
私を押しのけた。音を出すことに執着
していた。彼女は大きな狂いを正常と
思い、私は遠慮した。シャンテントン
シャンテントンとかき鳴らし、その音
を聞きつけて、夜這いにくる押しかけ
男が来はしないかとハラハラした。
予想は外れてボディガードの私は見守
りが終わるまで待っていた。上手く
弾きこなし、めくらのための琴なんだ
と私はゆずった。恋の方も自分が
美しい女だと鏡を見る事を知らぬ。
恋に夢中で、男性は優しく髪をなでて
可愛いがった。彼女を哀れみながら、
幸福を与えた。めくらの美女は不幸
ながら堂々と琴を鳴らし続ける日々を
送った。

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