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人生の経営者になる

これは、自分の価値を知りそれを社会に活かして、望む最高の人生と明るい人間関係を育むための考え方を、私の経験をアレンジして会話形式でお伝えするオリジナルストーリーです。

[主な登場人物]

主人公:佐々木只美(旅行会社海援隊ツアーズ営業)
メンター:中根雪江(佐々木の元先輩)
(佐々木の上司:沢村創)

コワーキングスペースにて

佐々木(心の声):は~、イヤだな~雪江先輩に会うの。お世話になったのに、こんなんだし。あの人の言うことって結構直球だし。何言われるのかな?でも、沢村支店長が無断欠勤の件はいいから、一度会ってこいってしつこいし。先輩が会社辞めて何年かな?今さら、どんな顔して会えばいいの?もう来てるかな~?

雪江:あー!佐々木さん、こっちこっち!久しぶり。

佐々木:お、お久しぶりです…。

雪江:あれ?緊張してる?

佐々木:そりゃあ!部署は違ったけど、ひんぱんに雪江先輩のところに聞きに行ってましたし、なんていうか会社、無断欠勤してそのままだし、先輩がいた頃はスゴイって結構褒められてたのに、今、こんなんで情けないっていうか・・・。

雪江:そっか、佐々木さんは私の期待にも応えようとしてくれてたんだね。ありがとう!

佐々木:えっ?期待に応えようって、いや、私はそんなんじゃないです。

雪江:じゃあ、どんななの?

佐々木:私、昔はジュエリー専門店で働いてたって言いましたっけ?

雪江:うん!高額商品を売ってたんだよね!

佐々木:そうなんです。転職したての頃は、ツアーなんて海外旅行でも一人100万円なんてこと少ないじゃないですか。だからもっとカンタンだと思ってて。

雪江:確かに百万単位のジュエリー売ってたら、そう思うよね。

佐々木:でも、全然違って。

雪江:どう違ったの?

佐々木:どう違ったんですかね?思い通りにいかなかったんです。受注しても話が違うって言われてクレームになったり、せっかくの高額ツアーも本社で手配できないって言われて、ジュエリーは品物があるけど旅行は品物とは違うし。

雪江:確かに、手に取って分かる商品と、手に取れないサービスでは売り方が違ってくるからね。じゃあ、佐々木さんはどうして旅行会社に転職しようと思ったの?

佐々木:普通に旅行が好きだからです。ジュエリーは父の会社のお手伝いだったから、自分の好きなことを仕事にしたいなっと思って。

雪江:で、やってみたら違ったんだ。

佐々木:はい。最初は面白かったんですけど、どんどん数字のことばかりになって、もっと受注しなくちゃって苦しくなって、本社に出したリクエストは全部NGで返ってくるし。もう自分ではどうしていいか分からなくなって、そしたら出社するのが怖くなって、どうしても体が動かなくて、それっきり。

雪江:そっか~、それは辛かったね。

佐々木:雪江先輩!私はどうしたらよかったんでしょうか?

雪江:う~ん、最初の旅行が好きだから、面白かった!っていう状態でずっといればよかったんじゃないかな?

佐々木:そんなことムリですよ!毎日、数字とにらめっこして、どうだ!どうするんだ!あれはどうなってる?って責められてたし・・・。

雪江:でも入社したての頃は、正直こっちがウザいと思うくらいキラッキラな目で、あれはどうするんですか?これはどうなってるんですか?って私に質問してたよ。(笑)

佐々木:それは!早くいろいろ覚えたくて、雪江先輩が一番聞きやすかったし。

雪江:ヒマそうに見えた?

佐々木:いえ、そうじゃなくて、いつも同じトーンで返してくれるっていうか・・・、ウザかったんですか(泣)?全然気づかなかったです。

雪江:私のポーカーフェイスがうまかったのかな?なんてね、違うよ。佐々木さんが気づかなかったのは、自分の欲求に対して一所懸命だったからだよ。早く覚えたい!ってワクワクしてるとね、人がどう思っていようが気にならないの。

佐々木:支店長とか数字を気にし過ぎたってことですか?

雪江:そうかもね!支店長の言葉や支店の数字、周りの人の期待、そんなの気にせず自分の知りたい!好き!っていう気持ちに正直でい続ければよかったってこと。だけど、それができる人は少ないの。

佐々木:そうですよね。どうしたら周りを気にせず正直でいられますか?

雪江:私たちはね、組織の一員である前に誰もが自分の人生の経営者なんだよ。だから「株式会社佐々木只美」にとって、正直であるとはどんなことなのか?を、知ることから始めてみたら?

佐々木:・・・先輩!先輩のところで働かせてもらえませんか?

雪江:えっ?いきなり何?会社は?

佐々木:辞表書きます!支店長も書いてって言ってたし、働かせてください!

雪江:あ、え~っと、考えとく(汗)

おわり

【コラム】
株式会社自分とはどんな会社?

ひとつの会社があるとして、その会社が周りの同業者たちに、ああした方がいいよ!こうするのがおススメだよ!と言われて、すべて取り入れようとしたらどうなるでしょうか?

つぶれる、かどうかは分かりませんが、上手くはいかないでしょう。

会社の業績アップのためには売上だけでなく、社会的信用を得るための意義や理念などが必要です。個人の業績アップ、つまり豊かで幸せな人生のためにはお金だけでなく、周りとの信頼関係を築くための「在り方や信念」のようなものが必要です。

それが株式会社自分を、どのような会社にしていきたいか?と考えることにつながります。

ストーリーの中の佐々木さんも、自分は好きなことをどんな風に仕事に活かしていきたいか?ということを明確にしておけば、周りの期待と自分の好きな仕事を切り離して考えることができたはずです。

人の意見を参考程度にするのはいいのですが、人の意見で自分が動いてしまっては自分自身の経営は成り立ちません。自分はどうしたいのか?(在り方や信念)を常に自分の中心に置くように意識することで、周囲の言葉を適切に取捨選択し考えて行動できる、ブレない自分を育てることができます。

【コラム】株式会社自分とはどんな会社?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お時間ある方は「仕事も人生も思い通りに輝くセルフマーケティング」から読んでいただくと、より分かりやすいです。


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