WEB解析におけるマイナービジュアライゼーション<その1:バブルチャート>
はじめに
GoogleAnalytics、AdobeAnalyticsといったツールを駆使し、これからウェブサイトの分析やっていこう、もっと極めていこうという方。ビジュアライゼーションと向き合ってみませんか。
常日頃、Excelやスプレッドシート、解析ツールを使用する中で、名前だけは見たことがある、なんとなく図は目にしたことがある、なんてグラフはないだろうか。
今回は、私自身があまり常日頃使用するシーンは多くないが、気になっていたマイナーなビジュアライゼーションをとりあげて、その使い方について向き合ってみるシリーズの第1段である。
WEB解析におけるビジュアライゼーション
ビジュアライゼーションとカタカナでかっこよく叫んでみても、自身がもった仮説の根拠をパッと見で正しい、または違っていたと分かってもらえないことには、ビジネスシーンで使用する意味がない。
いざデータを取得して、可視化する前のディメンションとメトリクスに整え、さあてビジュアライーゼーションとなっても、仮説を検証できる形になっていないことには骨折り損である。
そこで、ビジュアラーゼーションありきの分析にならないためにも、対応できる仮説例から踏み込んで向き合った。
今回の仮説例
アパレル会社のECサイトを分析することになった。トップス、ボトムス、ソックス、下着の4カテゴリの商品ラインナップがある。SNS広告をメイン集客チャネルとしており、トップス、ボトムスが主要商品で訴求及び露出が他2カテゴリーの商品よりも強く多い。
SNS広告を経由してきたユーザーは、トップス、ボトムスに興味があり流入してきている可能性が高い。この2カテゴリーのページのセッション数、CVRが高くなり、結果的に売上も他カテゴリーより高いのではないか。
仮説の検証に必要なこと
この仮説の検証に必要なことは以下2点だ。
・トップス、ボトムス、ソックス、下着の4カテゴリのページをセッション数、CVR、売上の指標でもって比較できること
・比較した上で、トップス、ボトムスが比較3指標において、他2カテゴリーより多いことがわかること。
ではでは上記の要件を満たすデータをディメンションとメトリクスに整理してみよう。
どうだろうか。わかるだろうか。パッ見でトップス、ボトムスが比較3指標において、他2カテゴリーより多いことはわかっただろうか。わかる人もいただろうが、テーブルを吟味する時間が無い上長、決済者への報告には以下のビジュアライゼーションはいかがだろうか。
バブルチャート
縦軸にCVR、横軸に売上、丸の大きさはセッション数の多さで、ディメンションの項目ごとにパッと見比較できる。このように3つのメトリクスをビジュアル化できるのがバブルチャートである。
実際、仮説が正しければ、トップス、ボトムスの丸は右上に位置するかつ、丸の大きさも他2カテゴリーよりも大きかったはずである。
しかし、実際は、売上において他2カテゴリーより多い結果ではあるが、セッション数では下着に、CVRでは、ソックスに軍配があがっていることが、パッと見でわかる。
したがって、仮説ははずれていたことが証明された。
とはいえ、さらなる仮説が生まれそうだ。
ソックスはセッション数が他カテゴリーより少ないが、CVRが高い。ここから流入時の入り口ページにはなっていないが、価格が低く消耗しやすいため、他の商品の購入のついで買われることが多かったりするのではないか?もしこの新たな仮説があっている場合は、カートインページでソックスを訴求できるとクロスセルによる売上げアップが期待できそうだ。
なんてこととか?