エンジニア採用を阻害する2つのバイアス
初めまして、E3代表の大津です。
自己紹介はこちらへ
280名ほどのITエンジニアが所属するエンジニアコミュニティを運営し、正社員/フリーランス問わず企業とエンジニアのマッチングをしています。17年ほどITエンジニアの紹介事業をしており、変化を続けるエンジニア採用市場やエンジニアのキャリアについて今までの経験を踏まえた自分の知見を発信していけたらと思っています。
私自身、まだまだ迷うこと、葛藤することも多いです。ぜひお読みいただいた方の意見や質問などもいただけると良い刺激になりますので、何かあればぜひ個別でのご連絡やオープンなSNSでの発信でお聞きいただければ幸いです。
各社が定義する「いいエンジニアとは?」
もう何年も前からずっと言われ続けていますが、「いいエンジニア」を採用したい企業は多く、その採用難易度は高くなっています。
「いいエンジニア」の定義は、顧客(社内であれば企画などビジネスサイドの人たち)のやりたいことを仕様に落とし込み、どうすれば実現できるか考えられ、それを1人称で進めることができる所謂自走力が高いエンジニアのことです。特に自社にてサービス開発をしているベンチャー・スタートアップ企業だと即戦力であるそういったエンジニアしか欲していないと感じています。
「いいエンジニア」の採用はあまりにも難しい
しかし、そんなエンジニアは日本のITエンジニア人口144万人の内、数%しかいません。また、会社員に限定すると更に少なくなります。
欲しいエンジニアを採用できている企業は、多額の費用をかけられたり、採用/技術広報をしっかりやれているベンチャーのみです。またそのようなベンチャーも海外人材を採用している現状から、かなり母数はいないと考えるのが妥当でしょう。
採用を阻害する2つのバイアス
多くの企業が求める「いいエンジニア」の要素は4つに分かれます。経験技術や知識などの「ハードスキル」、思考力やコミュニケーション力といった「ソフトスキル」、「カルチャー」へのマッチ、それに加えて「年齢」が掛け合わさってくることが多いです。
年齢に対してバイアスがないか?
企業からの見送りメールの中で「年齢の割に~」という言葉はよく見られますし、そもそもハードスキルやソフトスキルの前に年齢でフィルターがかかってしまうこともあります。
恐らく、社内の平均年齢より一回り上だったり、役員やリーダーよりも上だと扱いづらいからという理由が一番多いと思われます。役割としては1メンバーであるにも関わらず謎の年齢相応の割増要求もあったりして募集要件を満たしているのに不採用となるケースもあります。
これはとても、勿体なくないでしょうか?
そういった企業側の気持ちも理解しつつ、チームのことを考えながら一緒に良いサービスを作ろうとしてくれるベテランエンジニアも多くいると、日々面談をしている身としてとても感じます。
フリーランスに対してバイアスがないか?
また、正社員という形態にこだわっていて、それ以外の選択肢をしっかり検討できていない印象も受けます。例えばフリーランスへの業務委託という形ですが、フリーランスは複数の仕事掛け持ちが当たり前で、平日夜や土日にしか働いてくれないと思っていませんか?
フリーランスではありますが、社員同様に自社のサービスをより良くすることにモチベーションを持って一緒に悩んでくれたり、平日週5日フルコミットで働いてくれる人も多くいます。
ベテランエンジニアはチャレンジできる環境を求めている
弊社が運営しているエンジニアコミュニティには会社員やフリーランスのエンジニアが約300名弱所属していますが、その内の半分が35歳~45歳で10年~20年のエンジニア経験を持っています。
彼らの多くがこれまで培った自分たちの経験を活かして、新たなチャレンジできる環境を求めていたりするのですが、前述のように年齢の部分で弾かれたり、必要以上のスキルを求められたりするため、チャレンジしたいと思ってもなかなかチャンスを得ることができていません。
特にフリーランスで長く一線でやっているエンジニアからすると、色々な現場の良し悪しを経験してきているため新しい環境への適応も容易く、若い社員たちに対して経験に裏付けされた知識を提供でき、幅広い部分で貢献できると思っています。
視点を変えて採用をしてみるというご提案
であれば、いっそのこと年齢制限を撤廃し、純粋に自分たちが求める要素を満たしていれば何歳のエンジニアでもフラットに会ってみるのはどうでしょうか?これまで会えなかったような「いいエンジニア」にきっと出会えます。もちろん年齢以外の求める要素はしっかり定義して、面談担当者も相手が年上でもしっかり見極められる経験値のある方を置く。面談官が若ければ、その場自体が良い経験にもなります。
もう一つは、雇用形態に囚われず、週5日フルコミットできるフリーランスを採用してみるのはいかがでしょうか?
会社に属さず個人で活動していることから、やりたいことしかやってくれないのでは?と思われがちですが、これまで数千名のフリーランスエンジニアと会ってきて、決して会社員に引けを取らないくらい事業に向き合ってくれるエンジニアも多くいます。
また、フリーランスの採用=業務委託の契約については、社員よりもコストがかかるというお話もよく聞きますが、よく考えてみてください。
育成コスト無しで即戦力の「いいエンジニア」を社員で採用しようと思ったら年収700万~は必要ですが、一般的に業務委託費としてはその1.3倍~1.4倍くらいが相場と言われていますので700万×1.3=910万=月75万になります。社会保険料の会社負担もなくPJが終わった段階で契約終了することもできるメリットを考慮したら全然高くありません。
ぜひ検討してみてください。
最後に
E3は、コミュニティオーナーであるE3代表の大津が直接お会いした方のみで構成されるエンジニアコミュニティです。
メンバー280名ほどの内、約8割が既存メンバーや企業人事・採用担当の方からの紹介となっており、信頼性の高いエンジニアばかりとなっています。
構成としては、会社員:フリーランスが4:6となっており、段々と会社員率が上がっている状態ですが、形態に関係なくそれぞれの価値観に基づいた自己実現のためのキャリア支援や、エンジニア同士の繋がり作りを日々行っています。
軽く話聞いてみたいという企業様、エンジニアさんいらっしゃいましたら、お気軽に大津まで連絡いただけたら嬉しいです。
また、エンジニアの人柄や価値観が見えるWebメディアも運営しています(現在更新ストップ中)ので、良かったら覗いてみてください。
https://media.e3-pro.com/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?