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【イベント開催レポート】 Engineering Mix Session vol.5 エンジニアが語る 急成長スタートアップの過去×今×未来

こんにちは、E3編集部です。先日開催した「Engineering Mix Session vol5 \\エンジニアが語る//急成長スタートアップの過去×今×未来」のイベントレポートをお届けいたします!

開催概要

日時:7/6(火) 20:00~22:00
場所:ZOOM
内容:ここ数年で急成長を遂げた2社をお招きし、会社の成長の歴史、今、そして未来について、エンジニアの視点で語っていただきます。

登壇企業紹介

▼株式会社 HRBrain(VPoE 川田浩史 氏)

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<事業内容>
□組織成長クラウド「HRBrain」の提供

▼株式会社 Voicy(バックエンドエンジニア 会沢美優紀 氏)

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<事業内容>
□音声プラットフォーム事業
□音声ソリューション事業
□音声インフラ事業

パネルディスカッション

※内容は一部抜粋となっております。

組織を成立させるには、技術者と非技術者の橋渡しとなること

高橋:
せっかくVPoE(Vice President of Engineeringの略。一般にエンジニアをマネジメントする役割の人のこと。)の方がいらっしゃるのでぜひお聞きしたいのですが、Voicyは、一度組織崩壊を経験されていますよね。
そこからもう一度カルチャーマッチを重視して人を集め、会社にカルチャーを浸透させる努力をしてきたと思います。

※Voicyの組織再生の過程にご興味がある方は、以下の記事をお読みください!

一方その次のフェーズとして、エンジニアをマネジメントする層が足りないという企業が結構多い印象なのですが、その段階での組織作りについてはどこから取り組むべきだと考えていますか?

川田氏:
難しいですよね。実は、自分もずっとマネジメントをやりたいと思ってやっていたわけじゃないんですよ。エンジニアの時は、ただコードを書くのが面白くてやってたものの、自分としてはエンジニアの才能があるとは思っていなかった。

一方で、サイバーエージェントで働いていた時の最後の仕事で、みんなが技術的なパートを楽しめるための土壌を作っていかないと、組織として厳しいなというのを強く感じていたので、HRBrainに来てからはそこを担うようにしていました。

ただ、最近感じているのは、エンジニア組織うんぬんというよりは、文化が違う人達の間に立って翻訳作業をするのが自分の役割だなということ。極端に言えば、翻訳さえ誰かがやっていれば、VPoEやCxOがいようがいまいが全体としては成り立つと思っています。

会沢氏:
そうですね。ちょうど今うちにもプロダクトマネージャーが入ってきて、エンジニアに対してどういったプロダクトを作りたいのかを翻訳してくださるので、そこからVoicyのデリバリーがすごく上がりました。

「そういったキーパーソンが一人いれば解決するんだな」と納得する反面、「そういう人をどう採用するのか」というのが難しい点ですよね。

川田氏:
うちも狙っていたわけではないのですが、結果的にエンジニアとして入社してくれた人のひとりが今PdMとして非常に活躍してくれています。その方は「お客さんの課題を解決したい」エンジニアだった点が特徴的かなと思っています。

その目的に沿っていればやること自体はなんでも良くて、ただ強みがエンジニアリングだった。その方を見ていると、そういう「お客さんの課題を解決する」という本質の部分に力を注ぎたいと考えている人を採用できれば、それだけでいろんなことが解決できるのかなと思ったりしています。

toCとtoB、一番の違いは「お客さんとの距離」

高橋:
今「お客様」というワードが上がったので川田氏さんに伺いたいのですが、サイバーエージェントでtoCのサービスに携わっていたところから、現在HRbrainでtoBのサービスに携わっていると思います。そういったビジネスモデルによる「違い」を感じることはありますか?

川田氏:
めちゃくちゃあります。toCとtoBって、toCの方がお客さんに近いと思われがちですが、実際のところtoCのお客さんは不特定多数過ぎるので、見るところは数字であることも多い。なので、基本的にDAUやMAUを見ていました。

一方、現在私たちがやっているSaaSは、「このお客さんは本当に使ってくれてるの?」とか、「この1ヶ月どう動いてる?」という世界観になってきたので、よりお客さんのことを見る。toBというかSaaSって、めちゃくちゃお客さんのことを大事にしなきゃいけないサービスだなと日々感じています。

それは、直接お客さんからいろんな声や要望を受ける「カスタマーサクセスチーム」がいて、それをエンジニア組織と連携させているというのも大きいと思います。そのおかげでお客さんのリアルな悩みを吸い上げられるので、よりその人たちの顔を想像しながら実感を持って開発が進められるように思います。

エンジニアの評価制度はどう設計している?

高橋:
僕はエンジニアではないのですが、ビジネスサイドの人間から見るとエンジニアの評価制度というのは一層複雑そうに思えます。例えば、Voicyさんは個人の出世というよりチーム重視な印象を受けるのですが、評価制度はどのように設計していますか?

会沢氏:
現行の制度は、「業務上の成果」と「Voicyのマインド」の双方に対して評価をしています。当然、業務において成果を出したとか、納期をちゃんと守りましたみたいな基本なところはもちろんですが、それに加えてどれだけVoicyのマインドを体現する行動を取ったか、ということもしっかり評価しています。

川田氏:
うちは、何かの機能を改善したとか、納期がどうとかは全くなくて、とにかくその人が解決できる問題の不確実性が大きいかどうかってところだけで評価しているんですね。高い目標立てました、少し低い目標立てました、それはどちらでも自由です。ただ、うちは半年ごとに評価してるんですけど、その人が半年後にそれを実際どこまでできたかっていうところを全員並べて絶対値で評価して、そのグレードに合わせて給料を決めるみたいな風にしてるので、高い目標を立てたからと言って、給料が上がりやすいっていうわけではないというような感じにしてますね。

なので、PdMから「お客さんがこう困っているのでこんなことをやりたい」って言われて、「わかりました!」って色んな人に走り回って、問題解決して機能を作れる人が、うちの会社であれば一番評価が高いみたいな感じになります。

高橋:
それは、本当にお客さんにとって効果が高かったかというポイントで並べるのですか?

川田氏:
高い技術力を使ってどうのこうのするっていうところがセットであれば、もちろんいいですが、それがなかったとしてもお客様の問題を解決できて、中長期的に見てプラスであれば、そういう人を評価するという感じですね。

離職率が課題。エンゲージメントを高めるには

高橋:
HRBrainさんは多様なプロダクトをお持ちですよね。ひとつのメインプロダクトにコミットし続けると技術的なおもしろみや発展性があんまり得られず、結局メンバーが離職してしまうという悩みをよくミートアップで聞くのですが、そのあたりはいかがですか?

川田氏:
うちだと、そもそもいろんなことを取り入れすぎて、他のプロジェクトに行くことがすなわち、新しい技術を習得しなきゃいけなくなる部分は実際にあって、事業的には汎用性がないので必ずしもいいとは言えないですね。ただエンジニアとしての楽しさはあるので、実はエンジニアの退職率はめちゃくちゃ低いんです。

高橋:
退職率の低さについて、色んなプロジェクトを経験できる点以外に思いつく要因はありますか?

川田氏:
入社時のカジュアル面談でその人がやりたいことや不満をしっかりと吸い上げ、入社後も1on1に注力している点でしょうか。そこで全員としっかりと対話し、メンバーの負や潜在的な違和感を早い段階で拾えているのは大きいと思います。

会沢氏:
私たちは基本的には、Voicyのアプリをメインで開発しているので、そこ以外の新しいプロダクトみたいなものは全然やってないんです。ただ、メインプロダクトに紐づく形で再生アプリや収録アプリなど計3つのサービスがあるので、その中でいろんな技術に触れられるようにはなっています。そういう意味では、離職しにくい組織ではあるかなと個人的には考えています。

採用フェーズから育成フェーズへ

高橋:
参加者の方からの質問で、エンジニアを採用するタイミングについてなにか基準をお持ちであれば教えてください。

川田氏:
全員そうだと思うんですけど、常に採れるだけ採りたいです。(笑)
とはいえ、純粋に採用する数を増やそうとすれば、単に採用レベルを下げるしかないなと最近感じています。

HRBrainはもともと技術的なレベルが高いというか、自走できる人たちを採用し続けてきました。なので、最近はフェーズを一歩進めて、「育てる」に移行するのもありなのではないかと考え、ジュニアエンジニアを採用して社内で育成するという動きも出始めています。

高橋:
色んな企業で採用したい層がいないという話をよく聞くのですが、育成というのが実は採用を強化する以上に早いということもあるかもしれないですね。

川田氏:
元々エンジニアを全くやってない人に、2年ぐらいかけて独り立ちすればいいかなと思いながらエンジニアリングを勉強してもらったら、結局、半年か一年ぐらいでできるようになってくれたケースもありました。育成というのは、場合によっては普通に採用を頑張るよりも全然ありだなという体感をもっています。

登壇者のお二人から どういう人を採用したいか

高橋:
最後にこういう人を採用したい!っていうメッセージをいただいて、締めくくりたいと思います。

川田氏:
採用しながら思うんですけど、いい会社って世の中に無限にある。なので、たとえ選考の意志が無くても、カジュアル面談などを通して色んな会社の人と話してみるといいと思います。そうすると自分の当たり前を崩すことができ、その方の能力によって、世の中を一歩プラスにすることに繋がるかなと思っています。

会沢氏:
プロダクトのデリバリーやグロースを考えると、マネージャーやCxO、VPoEといった役割の人は当然必要なので、興味がある方はぜひ来ていただきたい。とはいえ、世の中には素敵なテック企業がいっぱいあると私も思っているので、それぞれを見ていただいて、カルチャーマッチするところが一番イキイキと働けるところになるんじゃないかなと個人的には考えております。

▼採用情報ページ

編集部:ありがとうございました。参加者の皆様にとっても、本イベントが何かのきっかけになりましたら幸いです。改めて、本日は誠にありがとうございました。

参加者の声

・Voicyさんが組織崩壊を乗り越えて今の企業成長に至っているという話はとても興味深かったです。
・組織の構成や設定による失敗談や、それを経ての現在の構成がそれぞれ違っていて興味深かったです。ありがとうございました。
・顧客の問題解決を主目的にしてる会社さんがいて嬉しかったです。
・翻訳者が必要という話がとても腹落ちしました!

他にもたくさんの感想をいただきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

さいごに

▼最新のイベント情報等はE3公式Twitterで発信してまいります。


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