【メモ未満】第6回電子処方箋等検討ワーキンググループ
【乱雑な私的メモです。だいたいこうだろうと書いたところがかなり多いので注意を。】
〇私的な感想
・今回は内容より今後の方針やそもそも電子処方箋制度の在り方についての議論が主。(WGの趣旨に沿うかはともかく)
・「目標達成は不可能」といった過激発言に目が行くが、圧力をかけた公的病院からも厳しいという回答がある中で難しいものは難しい。
・薬局起点の情報共有からスタートしたが、「医療機関側が欲しい情報は何か」という新たな観点が提起されたことによる議論の深化に期待。
・むしろ、手厳しい意見が出たことを言い訳に目標見直しが検討されるのでは、また、追加機能も内容充実のために議論を続けつつ世間での普及・予算の獲得まで時間を稼げるのでは、と考えると一見けちょんけちょんに言われているように見えて厚労省は実はうまくコントロールしているというのは邪推か。
・一方、追加機能は希望する施設のみの導入とできるオプションとする、という考えは聞こえはよいが、開発するベンダ側は開発(=投資)しても回収が見込めないため、希望施設への導入費用の高騰、製品への強制的な組み込み(値段変わらない)、そもそも開発しないといった事態が起こる懸念(だから必須機能にすべきという話ではなく、そもそもの要否・代替の実現方法の慎重な検討も大事)
・選挙と同じでアンケートへの無回答は多数派への無条件の賛成でよい?導入率に比べ薬局の回答数・・・(チェーンでひとまとめ?)
・電子処方箋管理サービス本体のコスト負担の議論は今まであまり聞かなかったこともあり、今後の話題の一つか。(WGで話すかはともかく)
・これらを踏まえ、引き続き今後の議論に期待・注目していきたい(議事録・記事・メモではなく、ぜひ動画で見ていただきたい)
〇業界紙とか
詳しくはきれいにまとめていただいているこの辺や、公式議事録をご覧ください。
医療機関での電子処方箋導入をどのように進めていくべきか、アレルギー情報等チェック機能追加等をどう考えるべきか―電子処方箋ワーキング | GemMed | データが拓く新時代医療 (ghc-j.com)
処方チェック機能拡充、現場ニーズ高く | PHARMACY NEWSBREAK(ファーマシーニュースブレイク) - 薬局・薬剤師のためのニュースメディア (jiho.jp)
患者同意や情報利活用、「かかりつけ」に必須 | PHARMACY NEWSBREAK(ファーマシーニュースブレイク) - 薬局・薬剤師のためのニュースメディア (jiho.jp)
「電子処方箋、2024年度末の目標達成は不可能」、日医長島氏 | m3.com
〇メモ
第6回電子処方箋等検討ワーキンググループ
日時 令和6年9月24日(火) 9時30分~11時00分
場所 WEB開催
議題
(1)電子処方箋管理サービスの機能追加について
(2)「医療機関・薬局間の情報」の共有・標準化等について
(事務局から取り組みやこれまでの議論の振り返り、機能開発などの提案、施設アンケートの結果等の説明。事務局説明は担当が変わって落ち着いた感じもある。)
〇長島構成員(日医)
別に普及のことを議論する場があるが、WGは普及のためにどのようなシステムであるべきかを議論する場として重要ということを前提に。
9/1時点の数字では少ない、工程表で示す来年3月末までにほとんどの施設に導入というのは不可能。
目標の再設定が必要。導入しやすい、継続しやすい、機能追加しやすいシステムやプログラムにすることが本グループの目的。その観点から議論すべき。
機能追加はバランスを考える必要。機能追加によるメリットはあるが、施設やベンダの負担もある。優先すべきは普及率を上げること。五月雨でなく一度にまとめて機能追加すべき。全体的に見直すべき。
薬局起点の情報共有も、医療機関から情報提供を求められそれに応じた場合のこともある。電カル共有サービスで、という考えもあるし、医療機関の考え方もある。
〇厚労省
公的病院が入れれば周りの薬局も追随するだろうということで導入を予定を公表した。薬局が整えば医療機関も始めやすくなる。
今後の医療DX加算は3月までの電子処方箋導入が必要なので駆け込みで増えると考える。
何の機能を追加すれば負担に見合うと考えてもらえるのか議論していきたい。
現時点でスケジュールを見直すことは考えていない。
〇長島構成員
強い働きかけをした(かつ体力を持っている(?))公的病院であっても50%。
この現実を考えてほしいと心配している。
〇横尾構成員(全国後期高齢者医療広域連合協議会)
地震や大雨等の災害で施設が被災してもDBにある情報で継続して医療を受けられるのは重要。北欧を視察したがこうした点は日本は遅れていると感じる。
若い人だけでなく後期高齢者もデジタルリテラシーを持つ人が増えてくる。
電子処方箋は日本のデジタルリテラシー向上にも重要。
普及も大事ぜひテコ入れを。
デジ庁や在外公館と連携し、北欧などの先進事例を調査し、メリットの取入れ、デメリットの改善をしてほしい。
〇厚労省
厚労科学研究で調査を行っているが、さらに取り組みたい。
〇鳥飼構成員(群馬大学)
チェック機能のニーズが大きいのはよいこと。
作りやすい、使いやすい仕組みのためには例えばHL7FHIR等の活用が技術面では大事だが、工数と知的な労力が必要になる。情報インフラ構築に対して自助努力・お金だけでは対応できないので、労力の支援や人材育成・講習会などの支援を。
オーダリングシステムは必ず動くことが求められるが、ここに手を入れるのは難易度が高く、接続費用に社会的なコンセンサスを。
(この後沈黙
高度なご意見に一同シーンとなったのかと思ったが音声トラブルの模様)
〇川上構成員(日病薬)
現実的には機能と運用を分けてはどうか。強い設定と弱い設定や、特定のものを対象から外すなど。処方・調剤する側で選べるとよい。開発自体はするとしても。
〇大道構成員(日本病院会)
病院自体が1.9%で低い。五月雨式の改修や、やるかやらないかわからないけど議論されている状況もある。病院は院内処方を気にしているが、今後の開発の話が出ると待ったほうが良いのではとなる。病院の経営も厳しく原資もない。国策として100%にするなら援助も必要である。
〇厚労省
ご要望として承りたいが都道府県の補助事業もある。
それ以外の改修は大きな改修ではないし、必須ではないオプションとすることも考えたい。
〇原口構成員(日薬)
薬局は40%で普及していくとは思うが、電子処方箋に関する情報提供があっても導入が難しい薬局がある。これらの薬局への支援を継続して行ってほしい。
機能追加はチェック部分の要望が多いのは現場としてチェックしてもしきることはない現実がある一方で、運用を考えないといけない。乱発するようなワーニングは質を落とすのでバランスが大事。利便性も電子処方箋の発行は患者には院外処方以来の経験となるので、医療従事者だけでなく患者への情報提供が大事。
〇田河構成員(健保連)
導入は伸びているが、本来目標からすれば公的病院以外も含めた更なる促進策やうまくいく運用を考えるべき。
機能追加はへいっ要注意などのニーズも高いだろうが、五月雨にならないよう調整し、電子処方箋普及のスケジュールも考えてほしい。
新規機能の追加、データのさらなる利活用として生産計画の補助が上がっているが、それについて費用負担の考慮が必要。
〇長島委員
災害時モードが役に立ったと聞いているが、レセプト由来はタイムラグがある。災害時・救急時に役に立つことを国民に知らせてほしい。
チェック機能は欲しいかと聞けばはいというが、負担も併せて聞くと意見はガラッと変わる。(ここが本日のポイント)
実行する場合にどういう仕組みか、自院だけのものをチェックに回すのか、ベンダに仕組みを渡して作ってもらうのか、ほかの施設のものを使うなら電カル共有の中で6情報の活用方法も決まってない中でのハードルを考えてほしい。
〇小野寺構成員(日歯)
歯科で普及率が低いのはHPKI所持者が少ないこと、院外処方が2-30%どまりであることが考えられるが、医療DX加算は10数パーセントがとっているのでやる気のある歯科もあると考える。しかし改修が五月雨で負担への懸念。補助金期限延長など負担軽減策も検討されたい。
〇新垣構成員(JAHIS)
電カル共有サービスの中で診療情報提供書の提供は指定した医療機関に飛ばせるので、薬局指定も同じようにできるかと思うので検討を。
医療機関への導入率が低い中でベンダの院内処方の機能開発は厳しい。導入されない懸念。導入の効率化の方法をWGの場で検討してほしい。
〇川上構成員
薬局起点の情報共有は医療機関からの求めもあるし、提供された情報への医療機関からの返信もある。患者さんの役にも立つので、電子化は進めてほしい。
診療録の電子化の話もあるので調剤録の電子化も検討されたい。処方箋の発行に伴わないやりとり、例えば中止している薬剤の情報、DPCの患者さんは入院の契機となった疾病には持参薬を使わないので持ち帰るがその情報とか。
それら考えると将来は全体的な医療情報の一部として全国医療情報PFに入って行ってもらいたい。
〇原口構成員
医療機関との情報共有は役に立つがどこをどうするかは議論が必要。医療機関の求めに応じてという視点は大事。ただ、提供プロセスの中でアナログが混じって正確性が損なわれるなら標準化の検討が必要。次の医師の先生の診察につながるなら薬局が気づいたときに伝えたいという思いはあるので標準化に向け継続して議論したい。
〇鳥飼構成員
トレーシングレポートは運用されていたが均てん化のために様式はバラバラになってしまった。医療情報も同様で運用のため形式はお任せということで個別化が起きて収集が大変だった。トレーシングレポートも様式を標準化するような活動もあるし、退院時の処方に応じて出していかないといけないが病院と薬局のID連携が必要だが、これを掘り下げると手渡しに比べ時間短縮ができる。
〇大道構成員
トレーシングレポート機能はどの施設も見えるのか、やり取りする機関同士なのか、主治医も見えるのか、範囲はどうか。
〇厚労省
そこまで詰めていないが、世の運用や他の施策と整合性がとれるよう検討したい。
〇大道構成員
情報のやり取りはお互いの信頼関係もあるのでどこまで広がるかにも留意を。
〇木倉構成員(協会けんぽ)
機能追加に関しては患者の側にメリットが出るように分かるように進めてほしい。電カル共有サービスの実証実験が始まるが、全国医療情報PFの検討の中で費用負担の議論も始まっている。院内処方後の費用負担はどう考えるのか。院外部分は医療介護総合確保推進法で法定の上、保険者が負担しているが、それを院内に拡張するなら電カル共有サービスの費用負担と一体で考えてほしい。
〇厚労省
医療保険部会での議論に沿って引き続き電子処方箋は保険者に負担をお願いしたい。効果が見えるようにしていきたい。施設間の情報共有はシステムが見えてきたら受益者負担についても議論していきたい。
〇木倉構成員
院内についてはまだ明確に示されていないので医薬局から医療保険部会に伝えてほしい。
〇鳥飼構成員
欧米のシステムでもDBから標準化された形でデータを取り出すことに大きな困難を抱えている。日本でもこれに関する研究等をやるとよいのではないか。(←ものすごく一部のメモ)