
俳句津々浦々(3)
副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。
日本語でゴミ分け伝ふ冬の朝
句意は明快だ。「日本語で」だから、海外から移り住んでこられた方に伝えているのだろう。近ごろ話題になることもある、団地などでの移住の方々と地元の方の姿かもしれない。日本よりも厳密にごみの分別をする国もあるが、分別などとは無縁のところもまだまだあるだろう。日本の生活に慣れていただくようにと今日も伝える分別。中七「伝ふ」の終止形の後の少しの間からは、冬の朝の空を見上げる視線、冬の朝の中での心のうごめきを伝えている。これからも仲良く暮らせるといいのだがという心の声とともにごみは分別されてゆく。
~2023年12月16日 埼玉 夏井いつき 句会ライブ in 上尾~(加根兼光:nhkk協賛サポーター)

nhkk事務局:
「俳句津々浦々」が、市井の俳句や、身近な場面が詩になっていく俳句の楽しさに触れ合うぺージになればと思っています。
17音で詠んで読む俳句は、気軽に取り組むことができる可能性に満ちた魅力的な教材(文芸)です。学校現場で俳句に取り組まれている先生方からの具体的なご報告もお待ちしています。
■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。