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俳句津々浦々(39)
副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。
遺言を鉛筆で書く秋の暮
そろそろ遺言状を用意しておかないと、と下書きを始めてみたが、なかなか進まないもんだ。はじめは遺言状だから、万年筆を久しぶりに取り出したのだけれど、書き間違いや修正だらけで。なので、鉛筆と消しゴムを用意した次第。最近なら消せるボールペンでも良いんだけれど、なんかね。で、書き始めると、そう言えば、北海道の原野を買っていたなあ、とか、ずっと持っているあの株券が、とか、親父の金の懐中時計どうしたっけ、とか。考え出したら遺言状どころじゃなくなって、押し入れ開けて、ごそごそ。ま、今日は良いか。秋の日も暮れかかってきたし。晩酌、どうしようかな。お燗にするか、いや、お湯割も良いか。でもまずビールやね。ああ、遺言状進まんなあ。
~2023年10月14日 福島 夏井いつき 句会ライブin 富岡~(加根兼光:nhkk協賛サポーター)
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nhkk事務局:
「俳句津々浦々」が、市井の俳句や、身近な場面が詩になっていく俳句の楽しさに触れ合うぺージになればと思っています。
17音で詠んで読む俳句は、気軽に取り組むことができる可能性に満ちた魅力的な教材(文芸)です。学校現場で俳句に取り組まれている先生方からの具体的なご報告もお待ちしています。
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