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スティーヴン・W・ホーキング『ホーキング、宇宙を語る ビックバンからブラックホールまで』林一訳

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2018.03.24 Saturday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/

2018年3月14日のスティーヴン・ホーキング博士の死去のニュースは、物理学と全く無縁の生活をしている私にとっても動揺するニュースでした。最近では、エディ・レッドメインがアカデミー主演男優賞を受賞した映画「博士と彼女のセオリー」から、「車椅子の天才」スティーブン・ホーキング博士に興味をひかれた人も多かったのではないかと思います。

そのホーキング博士が、数式を使わず大衆に向けて書き、世界的大ベストセラーとなったのが『ホーキング、宇宙を語る ビックバンからブラックホールまで』。

大衆向けに書かれたとは言え、やはり難しい! 専門用語への理解が足りないという問題以上に、物理学を専門としていない私(たち一般大衆)が、物理学に独特のかなり抽象的な思考回路で(宇宙を)考えていくことになれてないことからくる難しさを感じます。物理学的抽象度というのは、文系の評論の比ではないなあと改めて。そもそもの発想の生まれるプロセス自体にもいちいち驚きながら、なるほど! と読みすすめました。私自身がこういう思考回路の中で思考するタイプでないのが良く分かる読書体験でした(笑)

内容は、1987年の執筆当時のものですので、現在の研究はさらに進歩しているのだろうと思います。とはいえ、直接そういった研究に関わることのない私にとっては、この本によって、これまで触れることのなかった物理的思考回路が存在することと、その発想の意外さに触れることができたことそのものを大変面白く感じました。(ブラックホールとは……、私たちは秩序を無秩序に変換して生きている……etc.)科学者による最先端の研究というのは、その道の専門家でないと手も足もでないくらい、それぞれの分野にどんどん特化されているということなのでしょう。