♯7days_ホコリをかぶった本棚
なんの本を選ぶかも
とくに決めないまま
走りだした7days企画。
この記事はそのスピンオフ。
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いわむらかずおの
14ひきシリーズを
選んだときだっただろうか
気がつけば
おそらく
本の配置が20年前とはまったく
変わらないまま誰も行くことの
なくなった書庫へ向かっていた。
散り積もったホコリのせいもあるだろう。
むかしの自分へタイムスリップするのに
そう時間はかからなかった。
手にとる本と
その思い出が
物語と一緒に
進んでいく。
本棚の右上のすみ。
あつい本に挟まれて
大変居心地がよさそうな
うすい文集をみつけた。
ぼくは小学一年生。
こんなことを書いていた。
山のちょう上で、
えだに ぐぎっと手をかけて、
きにのぼったよ。
みんながちょっと、
小さく見えたよ。
えだから、おもいきってジャンプしたら、
足のうらがビリビリしたよ。
またのぼりたいなぁ。
あの大きな木。
不思議な文章である。
足のうらがビリビリしたのに
またのぼりたい...?
大きな木...
そうか。
ぼくは、からだが小さくて
前ならいではいつも一番前で
腰に両手をそえる係。
大きなみんなをいつも下から見てたんだ。
だから、大きな木から見る景色は
みんなと同じ景色を見ているようで
うれしかったんだ。
今のぼくに
小学一年生のころの気持ちで
思いを書くことができるかな?
7days企画 最終日。
ぼくは荒井良二の
『あさになったのでまどをあけますよ』
を紹介したのだけれど
読むたび、作者がまるで
小さな子どもであるか
のように感じてしまう。
そういえば
ピカソは言っていた。
私があの子供達の年齢の時にはラファエロと同じように素描できた。けれどもあの子供達のように素描することをおぼえるのに、私は一生かかった。(彫刻の森ピカソ館より)
ぼくが絵本に魅せられる訳がわかった。