右ききの左
ぼくは右ききだから
左手なんかじゃうまくできないや
だなんて
そんなの左手に失礼で
実は右手よりも
左手の方が得意なことが
たくさんある。
たとえば
鉛筆で文字をかくときに
紙が動かないように
おさえているのは左手で
いつもきまって
サポート役をしてくれている。
たしかに右手は
箸を使って料理を食べることができるし
ギターを鳴らすことができるし
ボールを投げることができる。
いわばあらゆる動作の
ゴールを決めるのが右手で
君は僕の右腕だよ
なんて言葉もあるくらい。
でも、そのゴールを決めるためのアシストをしているのは、大体左手だってことを忘れないでおきたいなっておもう。
箸を使って料理を食べるときに
料理がのった皿をもっているのも
ギターを鳴らすときに
たくさんのコードをおさえているのも
投げるためのボールを
はじめにキャッチするのも
みんな左手でしょう。
小さい頃に、左手を使わずに
ご飯を食べて、行儀が悪いって
先生に怒られてる友達がいたけれど
おそらく彼の左手は、
彼の強情な右手のサポート
なんかしたくなかったんでしょう。
右手と左手の仲が悪いような
彼の中のそんな居心地の悪さを
感じることがあったなぁ。
あ、あとはね
慣れた右手を使わずに
左手で絵を描いてみると
なんだか子どもの頃に
戻れたような気がして。
まだ鉛筆を操れなかったころの
ボクの気持ちや感覚を
思いださせてくれる左手も
やっぱりぼくは大好きで。
毎日一生懸命に左手を動かす
友人をみてそんなことを
考えておりました。