おしゃぶり昆布
さて、気合いを入れて書いてみたものの2本目が中々思い浮かばない。早々、書きたくなるようなニュースは起こるまい。
折角だから自己紹介でもしよう。
25歳、女性、会社員、独身。至って平凡。この文章を書くきっかけとなった出来事は1本前の「決定打」に書いているので良かったらそちらも見て欲しい。
好きな食べ物は果物。最近はグミにもハマっている。果物はどれも美味しく順位なども決めれぬほど平等に好きなのだが、ハマっているお菓子は常に熾烈な戦いで順位を争っている。このマイブーム歴は高校生の頃から私の中で確立していた。
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高校生の時、当時の私はおしゃぶり昆布にハマっていた。コンビニ、スーパー、近所で購入出来る商品を全て買い、利き昆布をするくらいだ。
完全に昆布に恋をしていた。
その日も休み時間、友達と話をしながらせっせと口に昆布を運んでいた。授業が始まり、現代社会の担当である教頭先生が教室に入って来た。教壇につく前に一度しゃがみ込み何かを拾っていた。
手に持っているものは何だろう、気になった私は先生の手元に視線を送った。そこから目が離せなくなった。
昆布である。間違いない!昆布である!!
しんと静まり返った教室に、先生の怒鳴る声が響いた。
「誰だ!教室で出汁取ってる奴は!!!」
教室の空気はより一層静けさを増した。寒かった。真冬のように寒くなった。対して私の顔は熱でもあるかのように真っ赤に熱くなっている。こちらは茹で上がり今にも良い出汁が取れそうである。「すみません、私です。」と言えるはずも無く顔を下に向けながら必死に込み上げてくる笑いを堪えた。
しばらくして「教科書◯ページ」と先生の声が聞こえた。
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休憩時間、「えみでしょ!」とニヤニヤしながらクラスメイトに言われた。隠し通すつもりだったのにバレてしまっていた。そりゃそうか。休み時間、複数の昆布を机に並べ、せっせと口に入れている女子高生はそういまい。幸いにも、それから私のあだ名は昆布に変わることはなく、充実した高校生活を送ることが出来た。
ありがとう、クラスの皆んな!
私は今でも昆布が好きでいれています。
私にはあの空気の中名乗り出る勇気は無かった。
「誰だ!教室で出汁取ってる奴は!!!」
そんな注意をうけた事がある人、もしいたら是非教えて欲しい。
良い友達になれそうだと思わないかい?
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