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09_「ふれあいまつり」準備編 【山の日本語学校物語】

これは、とある町に開校した「山の日本語学校」(仮名)の物語です。ITエンジニアの専門日本語教育、プロジェクト型のカリキュラム、地域との連携などなど、新たな言語教育の実践とその可能性について、当時の記録をもとに綴っていきます。最後までお付き合いください。

この連載を始めるに至った経緯については、「00_はじめに」をお読みください。

前回の08では、1stプロジェクトの概要やスケジュールについて説明しました。今回は、その計画に沿って行われたプロジェクトの第1ステージについて、授業がどのように進められたのか、その雰囲気がわかるように具体的な学生の様子を中心に描きたいと思います。

1stプロジェクトの第1ステージ

この第1ステージでは、学生は「みどり町(仮名)」に住み始めたばかりであり、プロジェクトのスタートの段階であったため、この段階での目的は、以下の2点にしました。

- イベントを通して「みどり町」について知る
- イベント実行を通して、チームビルディングを行う

このイベントは、「みどり町」が毎年行っているもので、「ふれあいまつり」と呼ばれています。町内の多くの事業者や町民が参加する、町の一大イベントです。08にも書いたように、この「ふれあいまつり」にブースを出すこと予定しており、学生の入国前にすでに申請を済ませていました。もう、後には引けません。

そこで、この「ふれあいまつり」を軸に、第1ステージのプロジェクトを組み立てました。具体的な予定は以下の通りです。

【1週目】
10/16(月)オリエンテーション、チームビルディング
10/17(火)ブースの企画を立てる①
10/18(水)ブースの企画を立てる②
10/19(木)ブースの準備をする①
10/20(金)ブースの準備をする②
【2週目】
10/23(月)調査の準備(参加団体について調べる)
10/24(火)調査の準備(調査概要を考える)
10/25(水)調査の準備(質問項目を考える)
10/26(木)調査の準備(質問項目を整理する)
10/27(金)最終準備
10/28(土)「ふれあいまつり」
10/29(日)「ふれあいまつり」

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