
#30:自閉症診断を伝えるまでの心の道のり ~受け入れる力と伝える勇気~
こんにちは。今回は、二番目の子供が自閉症と診断されたことを、主人に伝えたときのことを書いてみようと思います。
前回はパートナーへの気配りと報連相の重要性について触れましたが、日々の小さなことでも、一人で抱えずに二人で考えることが、より良いコミュニケーションにつながると感じています。でも、ある時期、私は大きな問題を長く一人で抱えていました。それを主人に伝えたときのことを書いてみます。
自閉症の診断を一人で抱えた日々
子供が3歳の時、保育園の先生から「小児神経科を受診してはどうか?」と勧められました。当時の私はその提案に戸惑い、主人に相談せずに、一人で病院に連れていきました。そして、不安が的中して「自閉症」と診断されました。
その瞬間、私は現実を受け入れることができませんでした。そして、ドクターに「治らないなら通院しません」と言い切り、それ以降は病院に通うことをしませんでした。その結果、夫にもその事実をすぐに伝えられないまま、時が過ぎていきました。私自身も受け入れるのに時間が必要で、「通院しなければ、まだ主人に話さなくてもいい…」と思っていました。

主人に告白できなかった理由
「こんなことを急に話したら、主人はどう思うだろうか?」と頭の中で何度もぐるぐると考え続けました。考えれば考えるほど、主人に伝える勇気がでませんでした。それでも時が経つにつれて、主人が子供に対して何か違和感を抱いている様子が見受けられました。そんな状態で、私は結局3年間この事実を話すことができませんでした。そして、子供が小学校に入学する直前に、ようやく主人に伝えることができました。
主人への告白とその反応
3年間、主人は何か不思議な感覚を抱きながら子供と接してくれていました。私は主人に、「実は2番目の子は自閉症だと診断されていて…」と打ち明けました。すると主人は驚いて、「ごめん、少し一人にして」といい、二階に上がりました。やがて、主人が号泣する声が聞こえてきました。その声を聞いた瞬間、私は「今伝えてよかった」と思いました。それは、診断直後の私自身も受け止められていない状態でそのまま伝えていたら、もっと主人の心に大きな負担をかけていただろうと…。そう思ったからです。3年間一人で抱え続けたことは私にとってもつらい時間ではありました。それでも伝えるまでに自分の中でとどめておく時間も必要だったと感じます。

二人で考える力と安心感
3年間一人で抱えながら、試行錯誤して過ごしていたもののその時間のおかげで落ち着けている部分もありました。子供が小学校に入学するまでにどんなふうに接すればコミュニケーションがとれるようになるのだろう??と考えて、努力を重ねる日々でした。振り返ると、落ち込んでいる余裕すらなかったように思います。そして、小学校入学を前に主人に伝えられたことで、入学後は夫婦二人で子供のことを一層しっかりと話し合えるようになりました。大変な時期は続きましたが、パートナーとコミュニケーションがとれることが、どれほど大きな安心感をもたらしてくれるかを実感しました。

当時を振り返ってみると、あの時の私が心配していたのは、子供だけではなく、一番心配していたのは主人のことだったと気づきます。子供とは母子という絆があるけれど、主人との関係は気配りや思いやりを通じて強い絆を築いていくものだと考えていたからこそ、すぐに話せなかったのだと思います。
パートナーとの関係は、日々の小さな「気配り」や「報連相」を大切にすることでさらに深まります。時には一人で抱えきれない問題を共有することで、関係をさらに強めることができると改めて感じました。

もし今、何か一人で抱えていることがあるとき、信頼できる人に話してみてください。共有することで思いがけない安心感や支えが生まれるかもしれません。この文章を読んでくださったあなたが、大切な人とより深い絆を築けますように。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。