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親が大切にしてる時間を、子供はちゃんとわかってる。
新しいストーリーができたとき、まずは子供に読み聞かせる。
絵本のタイトルが決まらないとき、子供に本気で相談する。
読みたい絵本があるときは、子供と一緒に図書館に行く。
原画展やイベントも、子供と一緒に遊びに行く。
だけど、大事な話があるときは「一人で行くよ」と説明する。
いつもはヤンチャでワガママな子供たちも、絵本のことで僕がなにかをしているときは素直に言うことを聞いてくれます。
それはすごく嬉しいことだしありがたいのですが、あきらめからくるものだと思ってました。
そんなある日、実家にお泊りに行っていた子供たちを迎えに行くと
「はいこれ!」
と渡してくれたのが、好きな絵を何枚も描いて貼り合わせた手作りの絵本でした。
文章はないものの、ストーリーはちゃんとあってタイトルまできまっているオリジナル絵本。
僕が手に取ってページをめくると、息子はすごくうれしそうに笑っていました。
頭をなでると
「すごいやろ!これにおはなし書いて!」
と言ってくれたのです。
そのとき気づきました。
あきらめからきてるんじゃなかったことに。
僕が絵本のことに使う時間を子供たちも好きでいてくれてることに。
それから親子での絵本作りが始まりました。
ページの並びを相談し、使う絵を厳選し、文章を書いては読んでみて「このページやめる」「ここの絵を入れ替える」という息子の案を優先に、毎日少しずつ制作していきました。
文章も自分で書きたいというので、僕が書いた文章を息子がなぞるという形で頑張ってくれました。
慣れないことなのにすごい集中力で書いたので「つかれた~」と毎日言ってましたが、とてもいい笑顔で満足そう。
僕以上にこの時間を楽しんでくれてるようで本当に嬉しい限りです。
この宝物のような時間で完成した絵本。
文章を記事として書こうか迷ったのですが、あえてそのまま載せました。
読みにくいと思いますが、みなさんに目を通していただければ幸いです。
『はかせのけんきゅうじょ』
ぶん たまきえいきち
え えいきちのむすこ
おしまい。