大阪都構想に学ぶ地方創生~シャッター商店街の行方~
転職を機に慌ただしい日常から一転、休日にはご近所にお住まいで、小さなころからお世話になっているおじいさんとベンチに座って話をする機会が増えた。
会話の中で一番よく出る話題は「住みにくい世の中になったもんだ」というもの。生活するうえでの利便性もさることながら、人と人とのコミュニケーションも希薄になり、すれ違う人に挨拶をすればかえって不審がられてしまう。「なんだかなぁ~」と思ってしまう社会になってしまったとのこと。
確かに大学に進学するために町を離れた時と比較するとその様子は大きく変わった。地区の子どもたちで行われていた”だんじり”は無くなり、大人たちだけで祭りをするのも困難なほど高齢化が進んでいる。それに伴って活気のあった商店街は、住居も兼ねている店も多いためシャッターが閉じられて営業している店舗などほとんどない。
おじいさん曰く、シャッター商店街になって気づくことも多いそうだ。大きなショッピングセンターが郊外にあるものの、高齢者で車を持たない方には買い物すら大変であること。そして昔の商店街には各種専門店があり、修理を頼んだり、困っていることを相談すると「こうすればいいよ!」とアドバイスとともに品物を選んでくれたそうだ。生活を支える基盤がそこにはあったのだ。そしてそこにはコミュニケーションと人とのつながりも自然と生まれていた。
今の生活は本当に便利で何不自由なく感じる。ところが、”比較”をすると失ったものもかなり多くあるといわざるを得ない。スーパーに行って店員に「●●で困っているのですがどうしたらいいでしょうか?」なんて相談する人はいないだろう。すれ違う人にあいさつをする人がどれくらいいるだろう。こんな状態で、これから町はどうなってしまうのか。まさに大きな岐路に立たされている。奇しくも「大阪都構想」も同じような問題をはらんでいる。
「市民サービスが低下する」「大阪市がなくなる」
大きな問題には違いない。でも、「どんな街にしたいですか?」「どんなサービスが新たに必要になってきますか?」といった未来志向で話をしている議員は多くないように思える。
別に特定の政党を支持するつもりは全くない。それでも日本で№2の都市がどんな都市になっていくのかは大変興味があったし、どんな都市がつくられていくのかその市民の可能性に期待せずにはいられなかった。誠に勝手ながら大きな転機を失ったというのが私見です。
地方を悩ますシャッター商店街。これもいち早く行動することが大切だ。最優先目標は「流入人口の増加」だ。考え方として必ずしもUターンである必要はない。人口を増やすには「企業の誘致」「研究機関の設置」と流れは決まっている。そこから「サービスの充実」が求められていくだろう。1つずつ具体的に解決策をとっていけばよい。ただし、未来志向で。そして常に議論と創造に努めること。
個人的にも責任を感じることは多い。広告業の一端を担っている今、企業や街を活性化させるというのは重大な責務だ。もっと盛り上げよう、人を動かそう!行動あるのみ!!ただし未来志向で!!!