おいしいイラスト集#08「レモンサワー」…と、その作り方を巡る考察
たまにはお酒のイラストも…
ということで、レモンサワーを描きました。
しかも、《自宅で作れる美味しいレモンサワー》です。
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私たちのチームが料理番組を作る際、必ず、試食会や実験を重ねています。
料理研究家、ソムリエ、スタッフが、膝を突き合わせ、あぁでもない、こうでもないと試行錯誤します。
それで以前、《結局、食事に合うのはどんなレモンサワーなんだ?》という話題になった際、実験をしてみたことがあるのです。
そこで見つかったベストなレモンサワーと、他では全く紹介されていない、新感覚レモンサワー(もちろん美味)を記事にしました。
1.美味しいレモンサワー実験に用意したもの
レモンサワーの定義を蒸留酒+レモン+甘み+ソーダとして、それぞれ次のような用意をしました。
▼蒸留酒
キンミヤ、ウォッカ、ラム酒(白・黒)、焼酎各種(芋・麦・黒糖)、変わり種では、リモンチェッロ(→このリモンチェッロを使ったものも中々◎でした。詳しくは最後に)
▼レモン
ノンワックスを使います。早摘み(緑レモン)、黄色いレモンの2種を用意。それをスクイーザーで絞って果汁を作ります。カットの方法は、半分、輪切り、皮だけ を用意。というのも、香りの入り方がまるで違うからです。更に輪切りを凍らせて氷がわりにしたものと…もう1つは、2章でお伝えします。
▼甘み
ソムリエが味をみながらシロップを足します。ただ、ラム酒や、黒糖焼酎のように酒自体に甘さを感じるものは追加しない場合もありました。
▼ソーダ
国産メーカーのソーダ1種に限定。
これらを組合せてレモンサワーを作ります。
作るのは、番組に出演してくださっているソムリエの若林さんです。
それを、料理研究家の大原さん、一般的な舌のスタッフ5人、若林さんで飲んで評価をします。すると、2つの傑出したレモンサワーが現れました。
2.傑出したレモンサワーその1
〜自宅で作れる! おいしい塩漬けレモンサワー〜
・麦焼酎ベース/塩漬けレモンとその果汁/輪切り/シロップ/国産ソーダ
ずばり、塩漬けレモンがポイントです。
食事に合わせるために、アルコールは多くせず、且つ、もう少し”深み”が欲しいという意見が実験の中で出ました。それで料理研究家の方から、塩漬けレモンの提案がありました。レモンが発酵して、グッと深みと旨みが出るというのです。常備されていたのでお持ちいただき、早速試したところ…「う、旨い!こんなに美味しいレモンサワーを飲んだことがない」。…と、全員一致の感想です。
塩漬けレモンのレシピは…
まず、レモンを輪切りにして、タッパーに入れ、その重量の10%の塩をして常温で1ー2日寝かせます(季節による、冬なら2日)。その後、冷蔵庫へ入れて3日置く。トータルで5日かかりますが、常備できますし、サワー以外にも色んな料理に使えて便利です。
この塩漬けレモンのスライスを2切れ、更に、漬け込んだ際に染み出てくる旨みの果汁を1ティースプーン加えてレモンサワーにします。ベースの麦焼酎は30mlを基準に好みで。シロップも、まず1口サワー飲んでから、欲しい分を入れて下さい。
これだけですが、やや甘い印象のある市販のサワーより食事にフィットします。もちろん単独でも美味しい。焼き鳥や揚げ物、塩やレモンをかけたくなる食べ物全般に合います。
3.傑出したレモンサワーその2
〜新感覚! お口の中でレモンサワーの誕生〜
これをレモンサワーと言っていいか議論が別れましたが、結果 美味しかったので、ご紹介します。リモンチェッロを使ったサワーです。
リモンチェッロはレモンのリキュールですね。イタリアンで食後に楽しむことが多い食後酒として知られています。アルコール度数は高くて、30%くらい。それに砂糖も入っています。比較的大きな酒屋、ネット通販でも手に入りますし、最近は国産の商品も登場しているのが嬉しいです。我々が使ったのは、愛媛県・大三島にある柑橘農家さんが作っている美味しいリモンチェッロです。
さて、レシピですが…
リモンチェッロ/ソーダ 以上です。
肩透かしのようですが、レモンサワーにする要素としては、リモンチェッロにソーダを加えればもうOKです。アルコールも、レモンも、砂糖もすでに入ったリキュールなのですから。
しかし…問題発生です。
ソーダを入れた時点で、当然、リモンチェッロは薄まります。
リモンチェッロは、濃厚な味わいが美味しさです。ソーダで割った味は、なんだかピントがずれたような、ぼやけたような…。魅力が損なわれてしまいました。
ちょっと考えた後、ソムリエが口を開きます。
リモンチェッロと、ソーダ、別々のグラスで出そう…と。
なんと、お口の中でレモンサワーを作れば良いじゃないかと言うのです。
現場は一瞬「?」となった後、白熱します。
《混ぜていないのでカクテルじゃない。すなわちレモンサワーじゃない》。と言う人と、《口の中で混ざってる》と言う人に別れました…。
傑作なのは《口の中で混ざってるがまかり通るなら、カレーとライスを別々に食べて、満足できるって言うのかい?》…と言う意見でしたが、まぁ 冷静に柔軟に、とにかく飲んでみることになりました。
まずリモンチェッロを含みます…
「…うん、美味しい」。
濃厚で粘度の高いリモンチェッロは、飲み込んだ後も、しばらく舌に味わいと余韻が滞留していました。食後酒の独特の楽しみ方ですよね。
そこへ、爽やかなソーダを流し込みます…
味蕾に残ったレモンの味わいが、ソーダと共に身体に染み渡っていきます。なんと、爽やかで清涼感ある流れでしょうか…。しっかりレモンサワーになっています。リモンチェッロも、ソーダもどちらも割っていないわけですから、従来のレモンサワーにない強いパンチがある。いわゆるストロングタイプのレモンサワーですね。それもまたいい。
リモンチェッロとしての美味しさは損なわず、更にレモンサワーとしても美味しい…。2度美味しいなんて、こんな口福、皆さんにお知らせせずには入られません。
結果、全員 納得で「お口の中でレモンサワー」を認定。
実験の大切さと、発想の柔軟さを再認識した出来事でした。
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きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
見出しのレモンサワーの画像は、みんなのフォトギャラリーにUPしておきますね。
それでは、またnoteでお会いしましょう。
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