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れすゼミ5時間目_F!原価

こんにちは!れすゼミ5時間目です。
前回までの授業では、店舗経営は日次決算がとても大切!ということを学んできました。
今日までの店舗数字を集計し組み立て、課題を抽出する。
抽出された課題を解決するための最も効果的な施策を打ち出し実行する。
ただし気をつけなければいけないのは、数字を集計したり帳票を作ることは、われわれよりもシステムが得意な分野であり、われわれが本来やるべきことは現状の課題を特定し明日以降の有効な施策を実行していくことであると学びました。

前回のテーマ、FLARO(フラーロ)について不安な方は、下記のリンクで復習しましょう。

それではれすゼミ5時間目、テーマはF!原価についてです。
今回も講師の安部さんに教えてもらい学んでいきましょう! 
ぜひ、れすゼミ5時間目の動画や資料も一緒に合わせてご覧ください。

フードコストと売上原価とは?

早速いくつか質問をしていきましょう。

質問1 食材費ってなんですか?

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皆さん、食材費とは何でしょうか?
仕入額なのか、売上原価なのか?
ここを混同してしまう方が多いと思いますが、仕入額と売上原価は違います。
そもそも食材費という言葉自体が曖昧です。(会計上も食材費という科目はありません。なぜなら買った時点では棚卸資産という資産勘定であり、使って初めて費用(売上原価)となるからです。)
仕入額は仕入金額の総計で、売上原価は売られた商品などの原価の総額のことです。
会話の中で食材費という言葉が出てきたら、どちらのことを言っているのか確認しましょう。

質問2 F率ってどのように求めますか?

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F率とは何でしょうか?
F率は、仕入額を売上高で割った比率と、売上原価を売上高で割った比率とで意味が違ってきます。
実務上は、仕入額を売上高で割った比率を毎日確認しながら数字を見て月末の着地を予測する管理者が多いみたいです。
また、毎日棚卸をしないため売上原価が算出できないからです。
月末になると売上原価が確定するので、売上原価を売上高で割った比率で求められます。
日々、追う数字と月末の確定数値は違うということを認識しておきましょう。

質問3 棚卸ってなんのためにやるのか?

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月末に棚卸をやりますよね。
そもそも棚卸って何のためにやるのでしょう?
会社として重要な作業ではあるのですが、なぜやるのかを把握できていないと単なる作業となり、モチベーションも下がります。
棚卸を行う意味は、売上原価を算出するため、冷蔵庫の在庫がどのくらいあるかを確認するため、といくつか理由はありますが、今回の授業ではロス率を算出するためと覚えましょう。
ロス率の重要性については、後ほど!

棚卸自体はとても重要ですが、どうしたら棚卸をやらないで済むかを考えてみるのも大切です。
テクノロジーを活用してなんとかしたいですね。

T勘定

さて、材料から料理という完成品になり売上になるまでの流れを理解するためにT勘定というものを学びましょう。(商品勘定)

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左側は、期首に冷蔵庫などにある食材と当月に仕入れた材料です。
では、費用となる場所はどこでしょうか?
期首〜期末までの間に売れたものなので、右側の「売上原価」という場所にあたります。
売れていない期末在庫は冷蔵庫にある食材なので、まだ費用にはなりません。
将来的に売る予定である在庫なので、売れた時に売上原価として費用になります。

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売上と売上原価(F)が対応しているのですが、実際には魚という食材からカマという副産物が産まれたり、作業くずが出たりしますよね。
他にも間違えて捨ててしまったり、賞味期限が切れたりなど。
つまり売れたものに対応する売上原価と、売れなかったが使えなくなったために費用となるものがあります。
飲食店の特徴として、右側の売上原価(F)と期末在庫の間のスペースには、副産物、作業くずや食材ロスが存在します。
また、食材は時間とともに悪くなってしまいます。
飲食店の期末在庫は時間とともに価値が逓減していくのが特徴です。
なので、在庫を管理することはとても大切です!

F(フードコスト)で大事なこと

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よく、「目標のF率を抑えよ」という指示が出た時に、仕入れを止めてしまうということがあります。
これでは在庫がどんどん少なくなるので欠品が生まれてしまい、販売機会をロスしてしまうことにつながってしまいます。
仕入れても次月に売る予定であれば、売上原価には計上されません。

T勘定の右側が大事

右側と左側は、食材が料理に変わるので、当然単位が異なってきます。
単位が違うから管理することはとても難しいです。
商品A(右側)は◯個という数え方をしますが、仕入れ(左)側では肉は◯kgという単位です。
肉◯kgを商品◯個に変換されていることを意識しましょう。
よってレシピ管理がとても重要となってきます。
ただ、レシピ管理は厳密性を追い求めると細かすぎて、とてもではないですが管理しきれません。
さらにロス率を正確に把握するのは難しいです。
大切なのはレシピ管理をしっかり行い、売上原価と標準原価の差異を算出し分析することです。

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1品に対して、肉◯kg、魚◯kg、ロスがどのくらい出るのかを計算します。
あとは販売数量がどれくらいかを予測し標準原価を算出します。
売上原価(期首+仕入ー期末)と標準原価の差異がロスとして算出され、差額が大きい場合はその分析を行うと効果的です。

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売上原価と標準原価の差であるロスを把握することがF率を管理する上でもっとも重要です。

F率の管理を困難にしている理由

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1つ目は、管理する材料や商品が非常に多いこと。
2つ目は、食材は時間とともに賞味期限が迫ってくるので価値が逓減しやすいこと
そして3つ目は、仕入れ価格やメニュー変更など、変動要素がとても多いことです。
アルバイトさんも入れ替わりが多く、引き継ぎなど経験値が常に一定となりません。

では、実際の経営・運営管理はどうしているのでしょう?

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多くのお店は、変動要素をできるだけ少なくする方向になるか、複雑性は保ったまま高級路線を目指すか、の2択になってきます。
みなさんのお店は、どちらに比重を置いてますか?

まとめ!

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今回見てきた図の右側が、自動化すれば非常に嬉しいですよね。
レシピ登録や更新が簡単にできたり、棚卸しが自動化されたら本当に便利です。
実務上、左側(期首在庫・仕入れ)はある程度システム化されていますが、右側についてどれだけ商品が出た、どのくらい余った、というのは多くのお店が正確には管理できていません。

T勘定の左側と右側をよく理解し、特に右側をしっかり把握していけるように工夫していきましょう!

次回は人件費(L)を学んでいきます。
とても重要なところですので、次回をお楽しみにお待ちください。

■5時間目 配信URL(YouTube)

■5時間目 資料(Speaker Deck)



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