心ゆくまで
夢にまで見たお泊まりができた。
会ったのは中野くんの出張の移動日。日が暮れる前に会うことができて次の日の朝まで一緒にゆっくりと過ごす事ができた。
会えたのは1ヶ月ぶりだった。中野くんの宿泊するビジネスホテルに私も部屋を取る。部屋からの音漏れに気をつけてたくさん愛し合うことができた。
もうメールやLINEでの連絡は取り合えなくなり、気軽に気持ちを伝え合う事ができなくなっている。
その分中野くんを目の前にした途端、愛してる気持ちが溢れてわけもなく拗ねたくなる程だった。
近頃の私は、慣れない仕事と疲れやすい体に悩まされ心の病気になってしまいそうな程、限界を感じていた。そんななか中野くんに会うことができて、たくさん愛を伝えて愛を感じて文字通り生き返った。
家族から離れゆったりとしたJAZZを聴きながら自分の心に素直に行動することが、私には大切なことなんだと実感した。
「eがおばあちゃんになってもずっと会い続けるよ」と中野くんは言うけれど、たぶんきっとそれは叶わない。私は歳を取りおばあちゃんになれば会ってもらえなくなることはわかっている。その時に「こんな関係だけど本気で大好きだった、もっと大好きだと言っておけばよかった」と後悔だけはしたくない。思った瞬間の暖かいままの「愛してる」を思った分だけ残さずに伝えたい。だからかっこいい大好きと思った瞬間「愛してるよ」と伝えている。
心ゆくまで愛してみたい。
この日、「大好きです」と言ってバレンタインデーのチョコレートを手渡した。タイトルにある画像はラッピングに使われていたリボン。何気ないリボンだけど、解かれたリボンは中野くんに緊張をといてもらった私みたいだと思った。
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