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深夜の電話




昨日の深夜、出張で東京を離れた中野くんから電話があった。「eが心配だった。結婚はしてないから。携帯を急に見られて勝手に送られた」と言われた。結婚していなかったとわかった瞬間、正直ほっとした。ごめんねと弱々しく言う中野くんに今すぐ会いたくなった。


私は「愛してる」と男性から言われたのは中野くんが生まれて初めてで、夫にも言われた事がない。そして自己肯定感が低い性格。こんな私がセフレから始まった中野くんとの関係に戸惑っていた。中野くんから言われる「愛してる」の本気度がわからなくていた。だけど最近の中野くんの言動が私に安心感を与えてくれて、少しだけど“私は中野くんに愛されている”と感じて始めていた。



今年に入って、私は中野くんに「同棲してる彼女と結婚しなよ」とすすめたことがあった。私との関係を続けていてもいいのか、真剣に考えてねという意味で。


そのとき中野くんからは“何を言われようと私の事を愛していてこれからも愛し続けてしまうだろうから結婚しようがしまいが関係ない”と返されながらも、やっぱり彼女との結婚は視野に入っているから中野くんの本当の愛は彼女に向いているんだと不安に思っていた。
それと同時に、結婚したとしたらそれは真実だから、私への気持ちは陽炎の様なものだと受け入れるしかないと覚悟もしていた。



そんな矢先、わたしが送った「会いたい」のひと言メールが偶然彼女に見つかり「結婚してるよ会いたくない」と送られてきた返信。



過去に何度もメールがバレているけど彼女は相手が私ひとりだとは知らないらしく、その度に彼女の怒りの文が送られてきている。“結婚してる”と返ってきたのは初めてだった。



終わったと思った。



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