「メリークリスマス」

深夜、出張先のホテルにいる中野くんから電話がかかってきた。いつも通り落ち着いた口調で「メリークリスマス」と言ってくれた。クリスマスイブだという事をすっかり忘れていたので、私にそんなこと言ってくれるんだという驚きと嬉しさで照れてしまった。今までで1番嬉しい「メリークリスマス」かもしれない。

2人でデートもしないプレゼントも無いそんな12月24日だけど、電話の向こうには大好きな人がいて愛してると伝え合う事ができて私はとても暖かい気持ちになった。

出張中の中野くんが同棲する彼女から離れた場所にいる事が嫉妬しないで済んだ大きな理由だと自覚した上で、特別な日に会えなくても心が寄り添ってると感じたのでそんなに寂しくなかった。

年内はお互いのスケジュールが合わなくて会えそうにない。会えないのは残念だけど絶望ではない。

こうやってnoteを使い言葉で気持ちを整理したりぼんやりと想っていたり、もはや中野くんに会ってる気分で、不倫ができる都合のいい性格かもしれない。

（違う。本気になってる時点で不倫に向いていない。）