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品格 - 子どもらしい事と冷静な事の対立 -

 品格にどのようなイメージをを抱くでしょうか。私は礼儀作法やマナーがきちんとしている様子をイメージします。何か予想外のことが起こっても冷静に対応するようなあり方を想像します。冷静だからと言って、無愛想なわけではないと思います。ただ無口なわけではないと思います。周りとコミュニケーションを取り、自分ばかり話しすぎない、そのような様子だと思います。

 冷静な状態じゃない様子として子どもらしい姿があると思います。無邪気でピュアです。感情を表に出しているというところでしょうか。これが自分の素直な気持ちを全面に出しすぎると少し下品になります。子どもらしい姿は品格がないように周りからはうつります。
 
 私は人を「安心している人」と「不安な人」に切り分けて考えることが多いのですが、安心している人は子どもらしいと考えています。何か取り組み始めると夢中になるのです。そうして集中した後は適度に休みます。休息して頭をスッキリさせているのです。

 安心している人には品格があります。場に応じてルールを守ります。自分の好きな服を着たいからと目立つ突飛な服を着たりはあまりしません。ただし、子どもらしいという性質を備えています。動物のように、犬のように、子どものように喜びを全面に出すということはあまりしません。その様子はいつも落ち着いていて穏やかです。まるでいつも日向ぼっこをしてのんびりしているような様子です。

 品格はつけようと思ってもつけられないと私は考えてます。品格をつけようとする意志にはエゴがあるからです。何かの効果を狙っているからです。目標があると、なりたい姿があることは、周りを無理にでも変えようとします。周りから捉えられたい姿があります。品格を備えている人は周りからどう思われようと気にしていません。それではなぜ場のルールを守れるかと言えば、そのルールを完全に自分でできるようにしているからです。歩く時に歩こうと意識する人はあまりいません。意識すると逆にうまく歩けなくなります。品格がある人はこれと同じです。マナーを理解して自分のものにしています。そうして自然にその場で振る舞えるのです。安心している人はマナーを自分のものにできているのです。

 品格を持つことは動物や子どもには難しいことです。なぜなら覚えられなかったり、経験したことがない知らないことだからです。知らないことを自然と知って合わせることはなかなか難しいことです。大人になって品格のある人は成長の過程で知識をつける中で自然とマナーを守れるようになったのです。どのような時に人は不快に感じるのか、嫌悪を抱くのか知っているので、相手を思いやることができます。自分が自分がとならず、自分本位にならず、その場を周りと楽しもうとすることができます。

 最近では自分本位であることが「自分らしさ」と捉えられるようになったと思います。自由に振る舞っている人に憧れる人が多くなったのではないかと感じています。ただ、このような人に憧れている人は自分本位なことに憧れているのではないと思います。自分も周りも心地よく過ごしている様に憧れを抱くのです。

 品格を持つならば、まずはその姿を目指さないことです。自分らしくいたいと思うならば、誰かの姿に重ねてその姿になろうとしないことです。キヲハルことなく、リラックスして毎日を過ごしていれば品格はつきます。焦るからこそ、その場に刺激を受けるからこそ、品格がないように見えるのです。

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