「教師の仕事は、サッカーの審判と似ている」
前の校長先生がある大学の教授から聞いたこととして言っていた。
サッカーの試合の主役は選手。
しかし、ゲームの流れを作っているのは実は審判。危険な行為やルール違反には注意し、時には厳しく指導する。レッドカードを出す権限さえも持ち合わせている。黒子のようで、実はその采配によってゲームを創造している。
これを教室にあてはめると、主役は子どもで教師は審判になる。教師も同じで、教室で目立ちすぎてもいけないが、横に控えているだけでもいけない。微妙な場面では、止めるかそのまま続行させるか一瞬で判断する必要がある。難しいけど、いないと成り立たないからやりがいのあるポジションだと。
このようなことを聞いてから、毎週見ているJリーグの試合でも、レフリーの人の振る舞いにより注目して見るようになった。どうすれば選手がイライラせず、荒れた試合にならずスムーズに進行するか。声の掛け方、表情、イエローやレッドカードの出し方、流れを読む力、時には毅然とした態度、いろいろな場面でサッカー仲間としていい試合を創り上げるために、その人なりの考えがある。そして、プロフェッショナルレフリーや国際審判の方はやはりコミュニケーションも上手だから選手から信頼されている感じがして、勉強になる。
子どもや教室という言葉に置き換えても、同じこと。(選手/子ども)が最大限のパフォーマンスを発揮できるように、(審判/教師)として、これからも参考にしたい。
それにしてもトップレベルでの審判の仕事は大変そう。学校でやるドッジボールの審判でさえ、大人数が視界に入る中で微妙なかすりやワンバウンドかどうかなどを見分けるのは難しいのに、Jリーグなら、観客やSNSでのプレッシャーも半端ないだろうなと思う。ファン・サポーターとして批判したくなる気持ちも分からなくはないけど、リスペクトの気持ちは忘れないでおきたいもの。